墜落
墜落 / 感想・レビュー
starbro
真山 仁は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。冨永シリーズ第三弾を読みました。二つの大きな事件が、どうシンクロするのかと思いきや、意外とあっさりした結末でした。 https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163915548
2022/07/23
モルク
自衛隊の最新鋭戦闘機の墜落事故、搭乗していたのはエース自衛官。彼は常からこの機の不具合を口にしていた。それとは別に、妻によるDV夫殺害事件。13才で子供を産み3人の子持ちとなった妻と、土地を米軍基地に貸与し大金を得ている地主一家の夫。これらがどのようにして絡んでくるのか、追うのは新聞記者神林と沖縄に赴任してきたばかりの富永検事。沖縄の深い闇。観光地としてしか接していない私にはその特殊な土壌、歴史、アメリカそして米軍との関係の考慮なしには簡単には言えるものではない。そこには「裸足で逃げる」の世界があった。
2023/08/28
まつうら
ここは本土ではなく沖縄だから、というフレーズがしばしば登場する。徹底した取材をする著者だから、いまの沖縄にもこんな劣等感情があるのは事実なのだろう。返還から50年を経たいまも、まだ傷が癒えないことに、なんだか複雑な気持ちにさせられる。それと、沖縄の少女たちの貧困を描くためだったと思うが、金城家の事件が真山作品らしからぬドロドロなのも気になるところ。主軸となる自衛隊機墜落事故と原因究明のストーリーは、著者らしくとてもアツい。プロローグにあった楢原の叫びは、アメリカの圧力に屈しない魂の叫びであってほしい。
2023/04/06
さぜん
沖縄でアメリカ製の自衛隊機が民間人を巻き込んで墜落した。同時期に起きたDV夫殺人事件。那覇地検に赴任した冨永は己の矜持の下捜査を行うが、一筋縄ではいかない沖縄問題の前に苦闘する。基地、日米安全保障、貧困、若年出産と沖縄の今そこにある危機を詰め込んだノンフィクションとしても読ませる。何が正義で何が真実か。風呂敷が拡がりすぎた感は否めないが、沖縄の闇はまだまだ深い。気をつけていないと知らないままで通り過ぎてしまう。知らされていない真実が多すぎる。
2023/01/11
ヒデミン@もも
おりしも沖縄で自衛隊のヘリが墜落した事故があった日に読み始めた。いろんな思惑が絡む沖縄の基地問題。地元住民をはじめ自衛隊員の想いが響く。DVと沖縄の問題は無関係ではないのだろうけれど、沖縄の住民を色眼鏡でみてしまうようなことは避けたい。感想、まとまらないな。
2023/04/15
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