KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

松本清張全集〈54〉西海道談綺3

松本清張全集〈54〉西海道談綺3

松本清張全集〈54〉西海道談綺3

作家
松本清張
出版社
文藝春秋
発売日
1983-11-25
ISBN
9784165081609
amazonで購入する

松本清張全集〈54〉西海道談綺3 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

きょちょ

解説によると、この作品は「伝奇小説」というジャンルに入るらしい。このジャンルで有名なのは、中里介山の「大菩薩峠」であり、「大菩薩峠」はあまりにも面白く、これと比較してしまうと、ちょいと残念となる。 しかし、比較する必要は全くなく、この作品も十分楽しめた。 何といっても、敵の大所帯と敵の総大将には驚きである。そして、前にも書いたのだが、当時の世相・風俗、さらには地名や言葉の由来なども記してあって、そういった面でも楽しめる。 清張の推理小説ファンは(私もそうだが)、彼の新たな側面を見出すことになる。★★★★「

2020/10/14

kaorin

明らかになる浜島の正体。秀観と向井の凄まじい色欲への執着、憎しみに獲りつかれたお島。新たに犬神たちも加わり、息つく間もない展開に。浜島の頭の回転は、敵ながらあっぱれで、この巻では、恵之助よりも登場しており、誰が主役なのかわからないくらいだ。霊験あらたかな人を寄せ付けぬ山々に囲まれた西海道で起こる、金山をめぐる大活劇、顛末やいかに。金銀銅山、商人と大名の利権が絡む江戸の歴史、山岳宗教などに関する膨大な知識、幽谷深山の情景が思い浮かぶ筆致、そして人間の欲望をここまでかというくらいに書ききる執念。読み応えあり。

2022/04/04

感想・レビューをもっと見る