松本清張全集 (20) 落差
松本清張全集 (20) 落差 / 感想・レビュー
キムチ
余りの面白さで、読み耽ってしまった。まさに清張したというか。 昭和30年代教育界だろうか。教科書採択問題は堅固な砦に囲まれており、よくぞここまでと感嘆する気持ち。決めつけてはいけないが胡散臭い「教授」という職業、「監修」リベート問題、中央と地方回り現場、男女の社会的位置関係・・随所に「落差」をにおわせる手法に酔わせられる。 点のうごめきがラストに向かい収斂して、不可測のもとに同芯円になってラストになだれ込む。無駄もそう感じさせないほどに計算された展開。 昭和の空気が殺人なき小説の完成度を高めている。
2013/11/15
TAKAMURA
読みながら、自分はどちら側の人間なのか、そしてどちら側になりたい自分なのかを思いながら読み進めた。
2024/09/01
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