カノン (Bunshun Entertainment)
カノン (Bunshun Entertainment) / 感想・レビュー
星落秋風五丈原
1996年4月文芸春秋より単行本刊行。学生時代の恋人康臣が自殺する瞬間弾いていたバッハのカノン。その演奏を逆回ししたテープを手にした夜から音楽教師瑞穂の周りで奇怪な事件が繰り返し起こり、日常生活がきしみ始める。そしてその旋律は、捨てても、供養してもまた彼女の近辺に現れるのだ。瑞穂の近辺で康臣の亡霊が現れ、息子巧の喘息がひどくなり、共通の友人正寛は瑞穂にかつての面影を残した少女を見る。失われた20年の歳月をどこに導くのか。音が紡ぎ出す異色ホラー長編。2002年1月WOWOWにてドラマ放送予定。
2001/11/03
伊藤勝大
☆☆
2018/08/24
かたち
自分が生まれる直前に描かれたお話なので考えてしまいます。どういう糸が絡み合い絡み合いどういう個人を創っていくんでしょうね。おもしろいですし不確かですしぐちゃぐちゃです。それでもやっぱり生きてます。個人としてね、はい。
2017/02/27
ottohseijin
音楽にたずさわる人間の業の深さを描いたのかと思って読んだのですが、これは、「青春の日々よもう一度」系の小説ではないですか!しかも、若い頃の自分(たち)を消化しきれず、あるときは否定し、またあるときは急に肯定し、まるでジェットコースターのようです。いろいろやらかしてて、ほんと家族にとってはいい迷惑ですね。
2012/06/04
てっちゃん
1996年8月8日に読了
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