精選女性随筆集 第三巻 倉橋由美子
精選女性随筆集 第三巻 倉橋由美子 / 感想・レビュー
まつこ
今のところ読んできた「精選女性随筆集」シリーズの中で1番文章が男っぽいと感じました。追悼文を書いた三島由紀夫と吉田健一。この二人の影響なのかもしれません。戦後なのでそれなりの風潮はあったかもしれませんが、結構考え方が現代的で恐らく当時でもまだ先端だったのではないでしょうか。面白いと思ったのは結婚観。「主婦の仕事」で【もの】とつきあうか(包丁や片付け)【ひと】とつきあうか(社会に出ること)。日本はだんだん【ひと】にはなってきたがそれが内向きで・・・。社会派というあらたな魅力の女性随筆でした。
2015/10/07
佐島楓
やはり私はこの方は、怖いと思う。どうしてだろう、いつも鋭利な刃物のようで、物事を俯瞰し、超越しているイメージ。この随筆集を読んで、そのイメージが変わらないことを改めて確信した。怖いというのは、惹かれているということとあまり変わらない質のものでもある。こういった思索を小説に昇華できるような人になりたい。
2013/05/10
ぐうぐう
通常エッセイとは、小説では知ることのできない作家の生の姿を私生活を通して伝える術としての身辺雑記という意味合いが大きい。しかし、倉橋由美子のそれは違う。彼女は私小説を嫌ったように、私生活を晒さず、あくまで小説と小説を書くことについて語るのだ。そこから伝わってくるのは、彼女の小説に対する独特な考え方だ。彼女は言う。「(略)小説とは、《ことば》によって、またあらゆる非文学的な要素を自由に利用して、《反世界》に《形》をあたえる魔術である。」と。(つづく)
2012/12/09
ぐっちー
精選女性随筆集3冊目。1.2巻にて取り上げられた作家は、明治生まれ特有の強さとしなやかさを持った女性達だった。竹のような風薫る颯爽。ところが倉橋由美子は夜の香のする、玉鋼。硬質で、見てはいけないけれど目を背けてはいけない世界。そんな気がしていました。この人の小説が読みたい。
2015/03/31
里馬
全部集めよう
2017/05/07
感想・レビューをもっと見る