父の詫び状 向田邦子全集〈新版〉 第五巻
父の詫び状 向田邦子全集〈新版〉 第五巻 / 感想・レビュー
shiozy
アマゾンから本が届かないいわゆる読書谷間の日。そんな時決まって読むのが「向田邦子全集」である。向田の代表的エッセーとも言える「父の詫び状」収載であるが、私が一番好きなのは「魚の目は泪」である。メザシの目に始まって、猫や猿など様々な動物のエピソードが次々と繰り出される。それは一見脈絡がないというアトランダムさなのだが、最後のオチで「もののあわれ」というキーワードが出て、一気に納得できるのだ。こういう文章を書きたいな、と思ってしまうのだ。
2015/02/24
ぐうぐう
向田邦子、初めてのエッセイ集である『父の詫び状』。タイトルからもわかるように、父との思い出がベースとなったエッセイだけれど、彼女が綴るエピソードは、それだけに留まらない。「思い出というのはねずみ花火のようなもので、いったん火をつけると、不意に足許で小さく火を吹き上げ、思いもかけないところへ飛んでいって爆ぜ、人をびっくりさせる」。その思い出の連鎖が、父を離れ、記憶の中を自由に羽ばたいていく。しかし、やがては家族へ、そして父の思い出へと着地する、これはエッセイ集だ。
2010/03/10
いぼいのしし
向田家の在りし日が目に浮かぶ様。おもしろかった。
2018/03/02
よし
nhk ドラマで見たのは、このエッセイが原本だった。。心に強く残ったエピソード。「祖母の通夜に社長が現れた父親の姿」「弟の友達の葬儀に出る父親」父親役の杉浦直樹ははまり役だった。父親本人は、まさにこんな感じだったのでは?
2020/08/27
こまっちゃん
作者の凛とした生き方、価値観も揺るぎなさが感じられるエッセイ。飛行機事故を心配するエピソードが悲しい。
2016/01/09
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