向田邦子全集〈新版〉 第八巻
向田邦子全集〈新版〉 第八巻 / 感想・レビュー
ぐうぐう
人間を観察した結果としてのエッセイという意味では、前作の『無名仮名人名簿』と同じスタイルと言えるのだけれど、この『霊長類ヒト科動物図鑑』には、向田邦子の作家としての貫禄が漂ってる。人間や出来事を考察する深みと、作家としての巧みさが溶け合い、おかしみの中に存在する唸るようなうまさが、読む者を虜にする、そんなエッセイ集だ。
2010/07/17
tae
ほぼ、初めて読む文章だった。一番記憶に残っているのは、 原稿が書けない理由の「パンタロンのゴムがきついの」っていう所。なんて、チャーミングな女性なんだろう。また読みたい。
2019/06/23
tae
やはり、向田邦子は上手いなあ。
2019/06/04
ゴロチビ
どこから読んでも、どこでやめてもいい手慣れたエッセイ。そのせいか、読了まで思わぬ時間がかかってしまった。前巻でも感じた、対象に注がれる冷徹な眼とそれを表現する突き放したような筆致をこの巻でも感じた。「声変わり」では相手に応じてガラリと変わる女の態度。「ヒコーキ」のあまりにも粗野な田舎っぺ集団。自分がその対象になったような気がして、思わず首をすくめた。ユーモラスに、いつも自分を落として書いているが、実は都会生まれの才媛で筆一本で身を立てているというプライドが滲み出て見えるのである。田舎モンの僻みだろうけど。
2016/09/15
よしださいめい
人間観察したエッセイという意味では、前作の『無名仮名人名簿』と同じスタイルかな。 でも、この『霊長類ヒト科動物図鑑』には、さらに点描のような人間の奥底にあるものをさらっと描き出しているような気になる。 言葉遣いとか柔らかいし、でもちょっと皮肉?のようなところもあるし、面白おかしく読みました。 また、いつか再読したい。
2021/09/14
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