吾輩は猫であるの謎 (文春新書 9)
吾輩は猫であるの謎 (文春新書 9) / 感想・レビュー
猫丸
「猫」に関するメモ集。半藤氏ほど執拗に突っ込むことなく淡々と注目ポイントを列挙する形。「猫」とは汲めど尽きせぬ連想の泉である。漱石作品のベストは?に対する一般的解は「こころ」あたりかと思われるが、僕にとってのベストは「猫」だ。再読三読に足る作をもつ者は幸いである、とは読書界の共通認識。それどころじゃない。少なくとも30回以上は読んでいる。子供の頃は猫の蝉取りや餅踊りに笑い、青年期は独仙流哲学に共感。近年は迷亭の浮草的人生の裏に潜む悲哀を見たり。色々なアスペクトから読める複雑な作品である。
2019/10/20
崩紫サロメ
本書の著者は『吾輩は猫である』の魅力を圧倒的なまでに膨大な情報であるとし、それは一見無駄なように見えるが「これらをムダだと思うのは、本当に「生きる」という経験をしたことがない人間にほかならない。この本に書き込まれている膨大な情報には、すべてに意味があり、必然性があるのだ」として本文から見えてくる明治の世界について解き明かす。確かに『吾輩……』にはこれといった起承転結がない。あるのは生活だ。モデルになった人々、当時の習慣などを説き起こすことで、原作をより深く楽しめる。
2019/12/04
イワハシ
タイトル通り、『猫』の謎本。丁寧に解読されているが、ちょっと力技なところも感じた(まあ、仕方ない)。ここだけの話だが、実は私は『猫』を通して読んだことがない
2024/05/05
tomi
本家『猫』をぼちぼち読んでる間に、先にこちらを読了。登場するモノや人物から家の間取りまで詳細に解説していて『猫』の副読本に良い。
2011/07/18
takao
ふむ
2022/05/10
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