寝ながら学べる構造主義 ((文春新書))
寝ながら学べる構造主義 ((文春新書)) / 感想・レビュー
徒花
最近は古代の哲学から近代・現代哲学に興味が移ってレヴィ=ストロースとかの入門書を読んでみたんだけどイマイチその意味がわからないままでいた。本書はその点において構造主義とは何ぞやというのをかなり平たく説明してくれているし、結局構造主義を主張していた哲学者が誰で、それぞれの主張にどのような意味があったのかを解説してくれている。無論、途中でどうしても難しくなってしまう部分はあるが、ほかの解説書と比べてもわかりやすいんじゃないだろうか。構造主義に連なる直前のフロイトやニーチェの思考も学びなおせる。
2018/03/04
夜間飛行
構造主義の前提としてマルクス、フロイト、ニーチェがあげられる辺まではすいすい理解できる。ところがソシュール、フーコーと進むと、理屈ではわかるもののニーチェとの結びつきが不安になってきた。そこでフーコーの章を読みながら何度もニーチェの章を見直した。これは一度フーコーを読まないとダメかな? 現代ではフーコーを読み、その術語で語るのが研究者や院生の常識になっているらしいが、筆者はそれ自体を強制された知と言う。本書はわかり易いだけでなく、理解がまだ不十分なことにちゃんと気づかせてくれる点、まさに構造主義的である。
2013/10/17
中玉ケビン砂糖
、「90分でざっくりと構造主義を説明」した講義ノートをもとにした入門書、マルクス、フロイト、ニーチェの思想を受け継いだ、フーコー、バルト、レヴィ=ストロース、ラカンをポストモダンの四銃士としてなるべくわかりやすく紹介している、少し読むのが駆け足すぎたかも、時々見返すようにしておきたい、、、
2015/04/02
hiace9000
さすがに寝ながら読めるほどの認識力や理解力はあるはずもなく、読書ノート片手に気づきと学びは都度メモしつつ内田先生の思考についていこうと。ともあれ「まえがき」がすばらしい。専門書と入門書のちがい、さらによい入門書と悪い入門書のちがいには、なるほど!目から鱗。構造主義の地ならしをしたマルクス→フロイト→ニーチェ→ソシュールあたりまでは何とか残すことは出来たか。知性という目に見えないものをここまで掘り下げて思索してきた偉人たち、むしろ人間という生き物の知の探究心に、ひたすら慄いた。一言で言うなら、スゲーな人間!
2022/10/26
rigmarole
印象度A-。増刷を重ねているだけあって、彼の著作の中でも特に出色の一冊だと思います。面白くてためになります。彼独特の解釈なのでしょうが、難解な構造主義をここまで噛み砕いてくれるとは(それでもラカンは難しく、分かった気にすらなれませんでしたが)。一言で言って、構造主義とは自分の思考や判断基準を客体化し相対化する視座を取ることだと、読後の私は理解しました。従って、絶対的な唯一の真理を追求するのではなく、自分の言語(とそれに規定される思考)を支配している社会の枠組みを認識することが思索の正しい姿勢であること。
2019/12/04
感想・レビューをもっと見る