日本語の21世紀のために (文春新書 288)
日本語の21世紀のために (文春新書 288) / 感想・レビュー
FK
「日本語」というものへの興味関心から、この手の本は結構手にしてしまう。どちらかというと保守の論客のお二人の対談ではあるが、学ぶことは当然あるだろう、と。 文章を作るためには、本当はものを考える力が必要なんです。しかしお上としては、人民のものを考える力は昔のままの状態にしておきたかった(P.58 丸谷) 【その理由は言うまでもないだろう。エリート主義だ。】
2018/02/22
てら
日本語はもちろん、言語についての考え方を再確認できる本。言語というのは読める読めないではだめなのだ。文化、国体を成すものなのだ。国語教育に関する考え方は、教員やってる身としては確かにと思うところ多数。特に記述文練習については取り入れたいところ。小倉百人一首が江戸民衆にとってのカノンという事実もなるほど、と思った。
2023/11/14
ochatomo
言葉の働きは外界の共有と内面の形成、肉体行動よりストレートに表現せずブレーキをかける面もある 国家が国語を作り共通語で支配して大衆化もおきること、「話すように書く」誤り(論理記述の欠如)等認識した 記述を表すのがあやふやな日本語で自我の成立は難しい 国語教科書は言葉を伝達道具として扱い「中身がなければ言葉でない」という関係が新聞記者でもわかっていない 活字と演劇、電話やラジオ、スーパーマーケットの役割言及も興味深かった 2002刊
2018/12/26
kiji
日本語の言文一致運動からまだ100年ばかりしか経っていないということを、改めて指摘されぎょっとしました。現代日本語はまだ若い言葉なのですね。自分は正しく日本語を使って思考しているのだろうかと、反省させられました
2013/03/25
となりびと
この国で生まれ当然のこととして読み書き、思考の道具としても扱っている日本語についての深い話。日本史上での役割から、言葉の果たしてきた重要性とこれからの日本語までが語られている。特に教育でなすべきこと、日本語ブームから見て取れる先見性は鋭い。この鼎談から十数年を経た現在、この国はクールジャパンを標榜し、内政では国粋主義とも捉えられる方向に向かっているのだから。日本語は内外の圧を受けて良くも悪くも変わってきた。それはこれからもそうだろう。けれど、その基本にあるものを捉えておく必要はきっと誰もにある。
2014/06/28
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