退屈力 (文春新書 628)
退屈力 (文春新書 628) / 感想・レビュー
コウメ
今の現代人は刺激物が多い日常生活を送っている。この本書では「高度刺激社会」といっていて、ディズニーランドやUSJなどのもう既に完成させらせたテーマパークやテレビやネットなどの刺激。自分の気持ちで買い物しているつもりでも外からの刺激でコントロールされていたりする。暇というのに慣れていない。それに比べて昔は退屈(暇)ということが多かった。子供たちは鬼ごっこやチャンバラなどの刺激が低くまた武道も盛んだった。剣道や空手など同じことを繰り返す反復練習がメインでなんも面白くなかったがそこに面白味があり探究心があったり
2019/09/28
かず
★★Audible。「退屈力」という見方で物事を捉えようとする姿勢は面白いが、途中で「これはいったい何の本だっけ?」と思うほど守備範囲を広げすぎてしまっている。内容の広がりよりも深まりを重視していただければ、もっと説得力のある本になったと思う。さらに、この手の本で時折目にする「最近の若いひとは…」という部分にはうんざりしてしまった。
2017/11/27
kinkin
「退屈力」タイトルがとても抽象的に感じて読んでみた。しかしその退屈というのはなんだろうと考えた。現代は「高度刺激社会」、その社会でひとはいっそうになれるのか。「高度刺激社会」に身を任せ続ける子供達、我々にとって"態度の転換”のキーワードになるのが「退屈力」だそうだ。たしかに読書や勉強は大切だと思うが、私はその前にこれも曖昧で抽象的な「ぼんやり」という時間のほうが重要だと思う。「ぼんやり力」というのはどうだろう。『ぼんやりの時間』辰濃和男著が浮かんだ。
2015/02/27
テイネハイランド
第一章で新興の娯楽/メディア/活動に対する批判がされているのだが、事実に基づく根拠が提示されておらず、「昔はよかった」という印象論を素直に展開しているように思える。私は、戦争があったり、共産主義思想がインテリ等に強い影響力をもたらした過去の日本が、現在に比べて低刺激社会だとは思わないので、著者の意見に納得できない。また、著者は「退屈力」というキーワードで、「他人から見ると退屈でも本人が退屈を感じない行為」などを列挙していくのだが、「著者は退屈力をどのように定義しているのか」が最後までわからなかった。
2016/04/26
ゆう
著者は、外からの強い興奮ばかりが追い求められる現代社会に警鐘を鳴らしている。一時の興奮で人生が豊かになることはないが、我々は退屈を過度に恐れ、非生産的な行為にばかり身を投じてしまう。刺激の少ない中でも充分に自分の脳と身体を満足させることこそが、人生を実り多いものにする。退屈をどう過ごし、活かし、何を掴み取るか。その知恵が「退屈力」である。武道の「型」の修練がそうした知恵の結晶であることや、人間の幼児期には自然とその知恵が備わっているということなど、興味深い視点の話がいろいろあった。
2024/08/04
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