ブログ論壇の誕生 (文春新書 657)
ブログ論壇の誕生 (文春新書 657) / 感想・レビュー
白義
ブログに代表されるウェブの言論空間の拡大と、それが今までのメディア、政治や社会に与える影響を、個々の事件を題材に適切に整理している良書だけど、今ではこれらも完璧な日常になった感じがある。希望と不安、両面に配慮しながらも著者は前向きだが、どうもやはり今のところ、悲観ですらない退屈な状態になっているかも。ネット論壇自体は広がったが、それはあくまで世間であって、公共圏には未だなりえていない。言葉を探しあぐねている人々を、エンパワーメントしたのか自分の言葉を奪ったのかも、ちょっと微妙なところだ
2012/02/06
うえ
団塊世代との世代間格差と新たな公共圏生成段階を追っている。「アルカイーダはこの共産党細胞と似たような構造を持っているが、本質的な差異がひとつある。共産党細胞が中央委員会という頭脳の命令を受けて、一糸乱れず従う身体の一部分となっていたのに対し、アルカイーダはひとつひとつの組織が独立して活動を行っている…いくつかの組織を破壊しても、残りの組織は何ごともなかったように生き続ける…この非対称戦争は、何も物理的な戦争の中だけで起きる現象ではなくなってきている。たとえば端的な例がインターネットにおける非対称戦争だ。」
2023/05/07
T-山岡
最初「ブログ論壇」という言葉には違和感があったが、誰もがネットを介して情報を発信できる現状においては、一部の知識人が言論を担うというこれまでの「論壇」という言葉のイメージをそのまま当てはめるべきではないのだろう。とはいえ、ブログ炎上のような「衆愚」に陥らずに「論壇」として機能するには、国民のメディアリテラシーの底上げと、「衆愚」を防ぐアーキテクチャがもっと必要なのではないかと感じる。
2010/05/11
ybhkr
2008年刊行。今の時代はブログやmixiよりTwitterが論壇のメインになっているイメージ。ブログと併用しているが、Twitterと連動している方がほとんどではないか。Twitterについては割愛するが、この7年の間に変わったのはそんなに多くはない気がする。ロスジェネに対する社会情勢がほとんどよくなっていない、というかむしろ悪くなっていて、希望は戦争、が古いものになっていないことが一番切なかった。大学の先生とか研究者って世間知らずだなあ…それに対する個人と組織の対応について興味深かった。
2015/01/11
おらひらお
2008年初版。言論の正解におけるwebの影響と想定される今後の展開を紹介するもの。マスコミの影響力の減少が想定されています。あと、社会との関わりの分類もおもしろい。
2011/10/22
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