対談 昭和史発掘 (文春新書 677)
対談 昭和史発掘 (文春新書 677) / 感想・レビュー
金吾
対談のところは面白かったです。特に五味川さんとの2.26の話はなかなか味があり、鶴見さんとの自衛隊の話は狭隘なものであり、共に印象的でした。
2022/03/12
しんすけ
2009年に発刊されたものだが対談は1975年に行われたようだ。そのころは昭和前期を反省する空気もまだ残っていたと思う。 だが対談相手の一人である城山三郎が、戦前回帰の空気が生まれるのでないかと懸念している。清張も同意しているのは経済政策の運営が素人で行われだしたのを見ていたからだろう。 その予言通り、能無しが日銀の総裁に収まって日本は破滅の途を邁進している状態だ。 また九条は、鶴見俊輔が米国から押しつけられた形になっているが、幣原喜重郎の意志も組み込まれてるような発言をしているのが興味深い。
2023/01/22
fseigojp
上から目線の司馬、下から目線の松本 どっちも三島は嫌った
2015/08/25
高橋 橘苑
城山三郎との対談を期待して読んだので、むしろ昭和史発掘番外編の方が面白かったなぁ、昭和50年という時代を感じたとか、平凡な感想を持って有馬学氏の解説を読んでいたら、心象風景が一変した。非常に優れた解説である。現代から見て各氏の発言を左翼的というのは簡単であるが、戦前・戦中という激烈な体験をした人達がある種の警戒感を持って時代を、そして日本社会を捉えていたことが重要である。バブルという熱狂もデフレという沈滞も、ただ過ぎ行く情景であったというなら、彼等のモノをいう情熱も過去のノスタルジアに包まれてしまう。
2014/04/03
青雲空
76頁 五味川(途中から) 企画院やなんかには当然これよりもっと厳密なデータがあるだろうから、交渉の段階では強がりを言っていても、究極的には戦争回避の道へ行くだろう、そう思ってましたね。ところが企画院総裁の鈴木貞一はこういうデータを持っていながら使っていない。恐いんだな。 松本 下僚が報告しないこともある。現場的期間では知っていても、これを上に上げたら上の気に入らないだろうという恐れ。あるいは自分のところで押さえたほうがタメになるというような配慮をする、それが官僚機構の性格でもあり怖さですね。
2018/04/06
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