インフルエンザ21世紀 (文春新書 733)
インフルエンザ21世紀 (文春新書 733) / 感想・レビュー
まーくん
本書を読んでる間にも武漢で発生したと新型肺炎のニュースが連日報じられ、今後の推移が案じられる。本書は2009年の新型インフルエンザのアウトブレークを中心に感染症との闘いに挑む人々の姿を追ったものであるが、中には今回の事態の経過を連想させられるような事柄も散見される。著者は東北大学薬学系院生時代に”パラサイトイブ”で作家デビューした瀬名秀明氏。WHOの進藤奈邦子氏や東北大学の押谷仁教授など多くの研究者、医療関係者に丹念な聞き取りを行い、ウイルス感染の仕組みから防疫体制確立に向けた問題点まで掘り下げている。
2020/02/04
gonta19
2010/2/6 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。 2013/2/11~3/7 自身薬学博士号をもつ、瀬名氏が、糖鎖研究者である実父鈴木康夫氏とともにインフルエンザに迫る。インフルエンザがどのように感染するか、という基礎科学的なところから、感染を防ごうとする公衆衛生医たちの奮闘ぶりまで、人を中心に綴られる。三年も積ん読状態であったが、内容は色褪せていない。科学的にとてもエキサイティングで、自分が高校生くらいで本書に出会っていたら、この分野に進んでいたのではないか。是非、多くの人に読んで欲しい本である。
2013/03/07
ntahima
インフルエンザだけを対象に新書としては規格外の五百頁。2009年に世界的大流行した新型インフルエンザを巡って関係各界の専門家が大挙登場しインフルエンザとは、パンデミックとはについてあまねく語り尽くす姿は圧巻である。以下本文引用『子供にワクチンを接種すると高齢者の死亡者数が減る。』『「自分は重症化しないから、罹ってもいいや」と思っていると感染の鎖が続いてゆく可能性がある。その鎖の続いて行った先には、必ず重症化する人が出てくる。』『私たちは自分が途上国の(医療的)弱者とつながっていることは想像できないだろう』
2012/02/24
ばんだねいっぺい
本書を通じてインフルエンザとはその名前のとおり、「影響力」であり、社会を底から揺るがす脅威だということが理解できたが、過度の楽観・悲観を避け、「希望」をというが、その「希望」をどのように形成していくかということが、いちばん、難しいんだよなぁと思った。どこにいたって、全員が予防接種している訳じゃない限りは……………………。
2019/02/11
Miyako Hongo
篠田節子の“夏の厄災”はパンデミック物の名作だが、これは同テーマのノンフィクション。新型インフルエンザ予防の最前線にいる研究者・医師・看護士・公衆衛生士・WHO職員やNPOや地方公務員など、様々な立場の人のインフルエンザ・パンデミック対応のインタビュー、インフルエンザの成り立ち、感染予防までてんこ盛りの本。そーいやこの作者、バリバリの理系だったなど思い出した。□それにしてもこういう本がBOOKOFFで100円で買える状況は、下らない外国人の日本ヨイショ番組よりはるかに日本の豊さを象徴してると思う。
2017/01/09
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