名文見本帖 泣ける話、笑える話 (文春新書 843)
名文見本帖 泣ける話、笑える話 (文春新書 843) / 感想・レビュー
ミッキー・ダック
サブタイトルに名文見本帖とある通り、素晴らしい文章を堪能させてもらった。徳岡氏と中野氏が交互に5ページほどの話を40本書いているが、82歳の徳岡氏は、新聞社での記者、海外支社、米国留学、著作、大学教授等の長い豊富な経験を、そして66歳の中野氏は身近な人々、気に入った本、失敗談などを中心に、ご自分も含めた色んな人の色んな出来事を描いている。特に中野氏の”人間一生糞袋”に笑わされ、「ながらえば」の笠智衆の話に泣かされた。そして「人間っていいもんだ」と改めて感じさせてくれた。
2012/05/06
siori
新聞記者時代の体験談やたくさんの有名人との思い出を徳岡氏から、中野氏からは本や落語、歌舞伎など身近な感覚で表現されたエッセー。名文見本帳という副題を後で知った。
2015/02/11
あーさー
ネットにて購入する際、タイトルから「中野翠さんと徳岡孝夫さんが、それぞれ名文と思う文章を紹介しているのかな」みたいに想像したのですが、「お二人が交互にエッセイを綴る」という趣の作品でした。えらくハードルを高くした感がありますが、話題が多彩で非常に面白かったです。
2024/03/08
Pia_610
タイトルの『泣ける話、笑える話』はちょっと中身と合っていないように思える。泣き笑いの感情に訴える話はそれほど多くない。そこに頼らずとも、巧の文章は読み手をぐいっと引き込むことができるということを体験させてくれた。筆者お二人の共通点は「視点」の位置どりのユニークさだろう。腹立たしいこと、悲しいこと、憂鬱なことも視点をずらせばふっと息つくところが見える。普通にしてると見えないことも、視点を変えると見えてくることもある。お二人それぞれの魅力ある文章が、肩肘はらずにおしえてくれた。
2012/07/11
ゆうじ
プロの文筆家のなせる技。素晴らしい文章の数々に魅せられました。
2012/06/07
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