一切なりゆき 樹木希林のことば (文春新書 1194)
一切なりゆき 樹木希林のことば (文春新書 1194) / 感想・レビュー
ミカママ
この夏、機内で観たふたつの映画『日日是好日』と『万引き家族』の影響というわけでもないのだが、気になっていたこちら。エッセイではなく、彼女の名語録とでもいうのだろうか。モノに執着しない、というのは羨ましいことではあるものの、わたしには無理。欲や執着があるとそれが弱みになる、もけだし名言(でもわたしには無理)。そしてアンチ・アンチエイジング(勝手にわたしが命名)も無理。まぁわたしもあと10年は好きなように生きて、その先は「後始末」に勤めるようにしよう。巻末に添えられた彼女の映像作品を片っ端から観たくなった。
2019/08/13
starbro
さいたま図書館では予約数が400件超ですが、千代田図書館では新刊コーナーに配置直後だったため、Luckyなことに一番手で借りられました。樹木 希林は、TVの全盛時代のイメージが強く、何十年にも渡って観てきた女優なので、同時代性を感じます。一方、映画はあまり観ていませんが、最近の「万引き家族」は観ておいて良かったと思います。これだけユニークで個性的な女優は、もう現れないかも知れません。
2019/02/15
bunmei
樹木希林さんが遺した名言、苦言、妙言をまとめた一冊。私の年代では、沢田研二のポスターに向かって「ジュリー!」と叫ぶのが印象的ですが、その後は、映画界における様々な日本の女性を演じてきました。また、旦那の内田裕也さんとの関係のゴシップも色々ありました。本作の「おごらず、他人と比べず、面白がって、平気で生きればいい」という言葉からも、悟りを開いた尼さんのような生き方と共に、晩年は、病との闘いの中で「それもまた運命」と受け入れて、最後まで役者人生を貫いた、女優・樹木希林の生き様が伝わる一冊です。
2019/03/24
やすらぎ
一回でもダメになった人が好きなんです。底辺や痛みを知っていて、多様に変化できるんです。前向きで深く、ユーモアを添える樹木希林さんの心に沁みる言葉。…しっかり傷つきヘコんだりすれば、自分の足しや幅になる。幸せは常にあるものではなく、自分で感じて見つけるもの。…自由に生きているように見える人が、重いものを抱えていたりするから。人生ってそういうもの。人間の美しさって、それぞれに、ときどきにあると思うんです。…人は人。私は私。おごらず、他人と比べず、面白がって、平気に生きればいい。求めすぎないでね。一切なりゆき。
2021/12/03
kanegon69@凍結中
感想を一言で言えと言われれば、「肩の力が抜ける」ということだろうか。樹木希林という人は、決して聖人ではない。特に夫が世間を騒がし、それでも別れない不思議な家族。そこには周りからどう言われようが自分に素直に生きた姿が伺える。後年の映画での演技はまさに「肩の力が抜けている」演技であったと思うが、彼女の生きてきた生き様、特に癌になってからの彼女の人生観・死生観が自然と映像にでてしまっているからではないかと思う。人生は有限、癌になったことにむしろ感謝しながら人生をシンプルに生きようとする姿はすごいなと思いました。
2019/10/19
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