東大生と語り尽くした6時間 立花隆の最終講義 (文春新書 1335)
東大生と語り尽くした6時間 立花隆の最終講義 (文春新書 1335) / 感想・レビュー
trazom
70歳の立花さんが20歳の若者に思いを託して語っている。齢をとると結論を急ぎたくなる。「デカルトの時代は終わった」という意味を、デカルト的懐疑すら突き詰めたことのない学生が正しく理解できるのだろうか。「歴史には法則性があるという人は間違っている」も危ない。でも、誤解を恐れずに若者たちに思いを伝える姿勢は立派だ。流されやすい時代だからこそ「職業的懐疑の精神」を叩き込みたいのだろう。各章末にある「注」が攻めた内容で面白いと思っていたら、巻末に、当時の東大ゼミ生が作成したとの説明。学生たち、なかなかやるじゃん!
2021/12/06
ヒデミン@もも
難しいことばかりだった。【注】説明されていることで時代を感じる。自分ごとだけど長く生きてるだけで、賢い人より知っていることもあるものだと思ったが、その知識は浅かった。立花さんのように何事もこれだけ深く追求する作家はもう出てこないと思う。
2023/02/02
みねね
面白くなかった! というのも立花隆の語りは抜群に面白く、教養に富み、僕の仕事はこういう人の劣化コピーに過ぎないのだなぁと見せつけられたからだ。完全に嫉妬からの八つ当たりである。以下否定的付箋箇所。/①いや、極座標と直交座標ってどちらが良いとかないのでは……/②『そういうくだらない本は、ほとんど数分で読む価値がないと分かります。』そうですか、本書もそういう面ありますよね。/結局本書で語られる内容はあらゆる知の入口でしかなく、ここから学びを得るのではなくて、何を学ぶか選択するのが大事。
2024/05/08
ころこ
文理融合を目指していた著者がその仕事を止め、東大の講義と東大と国家の関係に関心が移ったのは、単に死を意識する年齢になったからだけではなく、関係分野からの「立花批判」や雑誌メディアの取材費、原稿料の削減があり、従来の執筆体制が維持できなかったからでしょう。ここに著者の挫折があったことは重要だと思います。そこから転身して東大生に知全体の相貌を伝えることになったことは、著者の知的好奇心を満たす仕事ではなかったものの、そこまで各分野に知識の無い読者に広く浅く伝えることになりました。
2021/11/12
みき
人の人生に大きな影響を与える本なんて数少ないでしょうが、本書はそういう1冊になりえる本だと思う。正直、自分も20年前に読んでいたら……と思わざるを得ない箇所が何箇所もありました。大学生くらいのお子様がいる方は是非、お子様に買ってあげて欲しい。そんな1冊。内容は歴史から哲学、科学までを幅広く網羅。ティーンエイジ特有の悩みに対して「歳をとるのも悪くない」と理論的に説明くださります。これは何回も読むわ
2021/12/05
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