青年は荒野をめざす (文春文庫 100-1)
青年は荒野をめざす (文春文庫 100-1) / 感想・レビュー
ころぶ
この本を読んで感じるものがあるなら、その場で本を破り捨てて旅立ちの船に乗り込むべきだ。バンドマンならおんぼろワゴン車かもしれないし、イージーライダーならハーレーかもしれない。「今すぐ走り出したい!」と思わせるパワーに満ちた青春小説。書評ってあんまり意味を成さないし、「今の若者にわかるか」とか「こんな風になりたかった」とかアマゾンの書評を見るとがっかり。若者はじじぃの愚痴に騙されるな。転がり続ければ旅の向こうに答えはある。
2012/05/20
調“本”薬局問悶堂
とうとう読んだ。 そうか。10代のうちに読みたかったなんて思わなくていいんだ。26歳の今、この本を手に取った。 そしてこの本を読んだからって、今すぐに旅に出たいと思う必要もないんだ。 いつかきっと自分のタイミングで、めざすべきところをめざす。それが青春。 いつでも、なんどでも、青春。 《2020年6月 登録》 “心配しなくてもいい。いずれ君も、いやというほど不幸を味わうことになるさ。また不幸を持たぬ不幸というものもある。” “できるだけでかい事を考えてみよう。”
2010/06/24
まぐろにこふ
ジャズメンに成り切れないトランペット奏者の青年ジュンが、海外を放浪しながら、自分に欠けているものを探す物語。 旅で出会う人たちとのやりとりの中で、人生とは、音楽とは、そして、ジャズとは、それらの問いを葛藤しながら見出そうとする。 描写の仕方が目で見て音楽が聞こえるような、演奏などで比喩した表現は軽快でリズミカル。 ジャズやブルースを、物語で曲が紹介される都度流してみたら、より一層楽しめる。 10代のうちに読んでおけば、きっと大学の時に旅に出だろうと思える、青年の瑞々しく青い情熱の炎を焚き付ける、そんな一冊
2013/10/26
Hiro
軽くすいすいと読めてしまうライトノベルだ。旅立つ主人公の好青年はトランペットで達者にジャズを奏し、次々に女をものし、親切な人々と出会い、欧州の都会を飲み歩き、適度に苦労しながら食うに困らず、喧嘩もし、最後にアメリカという荒野をめざして再び旅立つところでひとまずの結末を迎える。悩みも恋も転落も成功もほどほど。あまりに調子良すぎで万事居心地が良いのだがそれがなぜかさほど不自然でも不快でもなく結構楽しく読めてしまうのが不思議だ。50年以上前の本なのに古びてもいない。楽観的で肯定的な著者の人生観のせいだろうか。
2022/02/04
けいちか
既読だと思い込んでいたが、まだ未読だったらしい。ソ連時代のモスクワもちょっとだけ出てきて、この時代のモスクワだけでなくヨーロッパの自由っぷりが伺える。この先、船で行きついた先で、彼らがどんな大人になっていくのか、そちらも大変興味があるところだ。
2015/08/03
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