表層生活 (文春文庫 お 16-2)
表層生活 (文春文庫 お 16-2) / 感想・レビュー
遥かなる想い
第102回(1988年)芥川賞。 ぼくと 「計算機」と呼ばれる同級生の 交流が印象的な作品である。 コンピュータがまだ一般的でなかった時代の 戸惑いの風景が現代に蘇る…ひどく 実験的なこの作品…奇妙な展開と 理解不能な 「計算機」の行動が 心に残る 本だった。
2018/02/03
ヴェネツィア
1989年下半期芥川賞受賞作。作者はこの時期としてはコンピューターの本質に精通していたものと思われる。「シミュレーション」が一種のキー・コードとして小説を構成しているが、そこで問われているのは、やはり人間とは何かということになるだろう。また、副次的な素材としてサブリミナルが扱われているが、これについては消化しきれないままに小説の中に埋没した感が否めない。20年前であっただけに、選考委員たちにコンピューターという素材と、それを巧みに取り込んだこの小説の新しい可能性を実際以上に感じさせたのではないだろうか。
2013/07/06
harass
題名と著者のみ覚えていて古本屋で購入。表題作の他に中編1つ収録。文章の言い回しに面白みを感じた。読みやすいが掴みづらいところがある。表題の芥川賞受賞作は、すべてを手に入れようとするが失敗する人間を描いているのかと、読み取った。不親切やなあという印象だがこの分量だと余分な説明が増えて意図が違ってくるのだろうと頭を捻る。うーむ。これが文学というものかねえと。正直微妙な本でした。ネットで調べたが著者は詩人大岡信の子供だったのかとちょっと驚いた。
2014/03/05
ふたし
コンピュータを使ったサブリミナル効果を、実際の人間を使って試そうとする「計算機」なる人物。しかしあまり上手くいかない。最後は身の破滅か、と思わせて・・・。人生シミュレーションどおりには行かないものだ。
2022/09/13
miroku
・・・「わが美しのポイズンビル」の方が面白かったが・・・。 「表層生活」は、単に自意識過剰というだけのような気がする・・・。
2010/03/23
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