遠い海 (文春文庫 い 2-24)
遠い海 (文春文庫 い 2-24) / 感想・レビュー
しーふぉ
遠い海とは成就することのない恋心といったものでしょうか。 やや中途半端な終わり方ですが、井上靖らしさは味わうことが出来る。
2014/11/02
Taito Alkara
ラジオ小説というものがあるんですね。ということで会話が多くテンポがよかったので、一気に読めちゃいます。ハッピーエンドにしなかったところが、なんだか現実的でした。
2016/09/09
巨峰
優れた恋愛小説であり優れた心理ドラマ。昭和30年代という時代。 4人の男女の間の心の揺れ動きをリズムある会話文と、文体で描き出す。 すごく素敵な舞台劇を見ているような気がする。目に浮かんでくるような素敵な場面が何度もあるのです。 と読後解説を読んでみたら、なんとラジオ小説のために書かれたものらしい! ¢人間というものは、みんな遠くに見える海のようなものをもっていますよ。 眼をつぶると、どこか遠くに海の欠片のようなものが見える。そこだけ青く澄んでいます。£ そう、私ももっている。
2010/03/23
hirayama46
井上靖は歴史ものはどちらかと言えば重厚さのある作風に思えますが、現代恋愛ものは軽妙さがあって良いですね。殊に本作はラジオドラマの原作として書かれただけあって、会話中心のテンポの良い物語になっています。しかし、昭和の恋愛・人間模様はいまよりも窮屈そうだなあ、とおおむね思うのですが、どこか安穏のしたところもあって不思議。ないものねだりをしているだけなのかもしれませんが。
2021/02/28
おつぅ
なんか、洗練されてる。センスのいい会話。 「人間というものはみんな遠くに見える海のようなものをもっていますよ・・」あーなんて詩的。 奥深い。
2012/06/20
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