私の西域紀行 下 (文春文庫 104-30)
私の西域紀行 下 (文春文庫 104-30) / 感想・レビュー
ウイロウ
(承前)敦煌莫高窟、河西回廊、崑崙山脈、ロブ・ノール、楼蘭遺趾。こうした名前を目にするだけで、こちらまでシルクロードへのロマンを掻き立てられる。とはいえ実際の道中はさぞや単調だったに違いない。沙漠やゴビや泥土の果てしない繰り返し。上下巻を通じて「一木一草ない」というフレーズが何度出てきたことか! その一方で、自然の厳しさと雄大さが読む者の心に強く残る。そしてそんな不毛の大地に生きる人々がとても愛おしく感じられるのだ。民族同士の抗争のみならず、河道の変遷が往古の都市の興亡に深く関わっていたとの話は印象深い。
2014/05/09
naomi
正直、風景の描写がどこも同じように感じる…と思いながら読んでいた。娘や子どもの描写は魅力的だけど。ただ、あとがきを読みながら、これをずっと旅の間、悪路を走る間も書き留めていた記録なのだということを改めて思い、凄まじい濃さの文章だと感じた。いつか、数カ月かけて西域を廻ってみるのが夢。
2021/11/16
感想・レビューをもっと見る