新装版 翔ぶが如く (4) (文春文庫) (文春文庫 し 1-97)
新装版 翔ぶが如く (4) (文春文庫) (文春文庫 し 1-97) / 感想・レビュー
Die-Go
再読。明治初期における「征韓論」から始まり西南戦争に至るまでの動乱の時代を描く。征韓論取り止めに不服を抱く江藤新平が反乱を起こすが、あえなく鎮圧されてしまう。そして、反征韓論派であったはずの大久保利通らが征台論を起こし、実行してしまう。なんとも迷走しているこの時期の明治政府であるが、それもこれも西郷隆盛を主謀とする私学校を中心とする薩摩士族への牽制とも妥協とも取れる行動である。五巻では如何に展開していくのか。★★★★☆
2017/12/22
サンダーバード@永遠の若者協会・怪鳥
薩摩に隠遁した西郷はまさに火薬庫の上に置かれた火打石。しかし、薩摩より先に江藤新平が佐賀の乱を起こす。これを鎮圧する大久保の取った手段はあまりにも厳しい。乱を一刻も早く鎮圧するためとは言え、一時的であるにせよ軍の統帥権だけでなく、司法権までも一個人に集約させる。この手法が、はるかのち、昭和の日本に悪影響を与えるとはその時思わなかったのだろう。
2013/02/16
優希
西郷どんが薩摩に戻ってからの話が描かれます。西郷どんに続くようにもと司法卿・江藤新平が佐賀の乱を起こしたのが、政府に叛旗をひるがえしたと言っていいでしょう。苛酷な措置で決着をつけられますが、薩摩への警告のように思えました。そして征台論が唱えられる。征韓論は駄目なのに何故でしょうね。
2019/01/24
やっちゃん
台湾のエピソードがあまりにお粗末。この辺り大学のサークルのノリで政府を運営してるようで面白すぎる。犬に鰻丼の衝撃。「皆、喧嘩をしたがっているのだ」血抜きならば政府は超人オリンピックを開催すればよかったではないか。
2024/02/17
とん大西
「こんなはずじゃなかった」-幕府を瓦解せしめ西郷と大久保が創り出した明治の世。維新の志士達の摩耗した心に宿った大小様々な「こんなはずじゃなかった」想い。巻が進むにつれ維新の暗い息苦しさが徐々に沁みてきます。征韓論にばかりFOCUSしていましたが、廃藩置県という大乱覚悟の荒療治を失念してました。廃藩-政府ぐるみの大詐欺。アイデンティティを失った士達。西郷は?自分を何者と思てたんやろか。政治家でも武人でもなく、日本人でもなくやはり薩摩人か。贖罪-アイデンティティの喪失に加担した西郷の心情が徐々に沁みてきます。
2018/01/07
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