本の運命 (文春文庫 い 3-20)
本の運命 (文春文庫 い 3-20) / 感想・レビュー
takaichiro
蔵書で図書館まで作った井上ひさしさんの本に対する愛情譚と作家人生を振り返るエッセイ。蔵書第一号は宮沢賢治の「どんぐりと山猫」。図書館ができた時には13万冊の本に囲まれていたそうな。家族はさぞ迷惑だっただろうと反省。ひさし流本の読み方・付き合い方も紹介。「入れ換えてる本棚はお化粧している女性の様に生き生きしている。君は相変わらず良い本だねと声をかけると途端に本はパッと輝く。本は絶えず触ってあげないとダメなんです」一日一冊読むのが精々の私。13万冊の本に囲まれ幸福を感じるひさしさんのスケールの大きさに感服。
2020/02/13
月讀命
130000冊の蔵書には圧倒されてしまいますね。自宅の床が抜けてしまうのも解る様な気がします。この本は、井上ひさしさんの幼い時からの本との関わり合い方を語っています。本と結婚してしまった様な井上ひさしさんの赤鉛筆を持ちながらする読書のスタイル、子供を本好きにする為には如何にすべきか、本屋さんや古本屋さんと上手に付き合う方法、本に将来性はあるのかという「本の運命」についても書いている。私は、自宅に訳1500冊くらいある本の置き場所に困って文句を言っている様では怒られますね。何て言ったって100倍ですからね。
2013/01/14
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
生きてる間にあと何冊ぐらい読めるかな~。稀代の本読み(と同時に伝説の遅筆家……笑)として知られる井上ひさしさんが、本について熱く語ったエッセイ。13万冊(!)の蔵書を有し、生まれ故郷に図書館まで作った筆者の言葉はとても刺激的かつ味わいに富んでいて、【井上流派読み方十箇条】その7『栞は一本とは限らない』よろしく付箋だらけになりました。若い時は随分やんちゃもしながら本への愛情を育んでいった筆者。【十箇条】と共に「本との出会いは一期一会」「物語は世界言語」「読書感想文より本の要約を書け」という言葉が響きました。
2014/10/12
GAKU
井上ひさしさんの子供の頃から大人までの、本にまつわるエピソード。ベストセラーを出し印税が沢山入ってきた頃は、毎月の本代が500~600万円!現在(1996年頃)でも月50万円位は本代に。ついに十三万冊の蔵書で故郷に図書館を作る。その他にも幼少時に本好きになった話や、井上さんの本の読み方など、本好きには楽しいエピソードが色々でした。それにしても本物の本好きの方と言うのは凄いです!
2020/05/20
さぜん
井上氏がどのように13万冊の本を所有したかを、本と人生を語る。読書がどれだけ大切か、特に子供達にとって本と言葉が重要である。海外の図書館を見学し、いかに子供を大事にしているかに驚いたそう。病気の友達に薦める本は?と図書館に聞くと選んでくれるだけでなく届けてもくれる。日常に図書館があり、子供と本を繋げている。日本はどんどん離れていく。言語を習得するのも読書の力が有効。もっと原点に立ち返る時では。「井上流本の読み方」はなかなか実践できないなあ・・。
2023/10/06
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