アンネの童話 (文春文庫 フ 1-3)
アンネの童話 (文春文庫 フ 1-3) / 感想・レビュー
いちろく
極力この物語が描かれた時期や背景などを意識せずに、アンネ・フランクという一人の女の子によるエッセイ・童話として向き合える様に心がけたのですが、意識しない事は難しかったです。正直、中川さんの訳者あとがきに気持ちが救われたのが本音。それだけ、私にとってアンネ・フランクという女性のイメージには複雑なモノがある事を再認識。
2017/02/12
阿呆った(旧・ことうら)
アンネ•フランクの童話集◆隠れ家生活で書き上げた童話14篇とエッセイ16篇◆ジャーナリスト志望だった彼女だけに、文章が理路整然としていて、しっかりしているなと思いました。
2016/01/06
ぐうぐう
隠れ家で日記を書く以外にも、アンネはたくさんの物語も綴っていた。本当にアンネという少女は、書くことが好きだったんだなぁと思う。書かずにはいられなかったとでも言うような、そんな情熱を感じさせる。また、これらの童話を書くことで、アンネは自分自身に問い掛け、同時に、ある種の確認をしているように思える。人を信じること、希望を忘れないこと、そして、窮屈な隠れ家に閉じ込められようとも、想像力は何者にも縛ることができないのだということを。
2012/08/04
myao
★★★★アンネが隠れ家生活をしていた二年あまりにわたって書かれたエッセイ十六篇と童話十四篇を収録。小熊の冒険、飛行機旅行、妖精の話、どの物語も心躍る冒険譚や美しい自然、生き生きとした世界が描かれており、外に出られないアンネの狂おしさはいかほどであったか読むほどに切なくなる。エッセイでは彼女の聡明さ意志の強さが良く表れている。与えられるものを喜ぶ。ただそこにあるだけで人生は素晴らしいとアンネは知っていたのだろう。
2014/05/05
玲
「かしこい小人」にこうある。「『与えられるすべてのよいものを喜ぶのだ。(中略)だれでも、子どもだろうと小人だろうと妖精だろうと、たがいに助けあえるのだからね。さあ、これからはそうやっていくのだよ、もう、わしのことを怒らんでくれ。おまえたちがよくなるように、わしにできることはぜんぶやった。さようなら、子どもたち!』(中略)ふたりは人は笑うべきときに笑い、泣くべきときに泣くというりっぱな教えを学んでいました。」アンネは命そのものを尊び、自然を愛し、神を讃えることを知っている14歳だった。
2012/08/10
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