生き上手 死に上手 (文春文庫 え 1-12)
生き上手 死に上手 (文春文庫 え 1-12) / 感想・レビュー
青蓮
生死観を軸に綴られたユーモア溢れるエッセイ。本書を読んで初めて遠藤周作は好奇心旺盛で多趣味な人であることを知りました。著者はカトリックの洗礼を受けながらも仏教の知識も豊富で度々両者を引き合いに出して物事を語る様は興味深い。「ひとつだって無駄なものはないんです……ぼくが味わった苦しみ、ぼくが他人に与えた苦しみ……」これはモーリヤックの作中の言葉だけれど物凄く打ちのめされた時に覿面に効く魔法の言葉。「この世に繭(肉体)を残して蝶々になるのよ」と言ったロス博士の言葉にも慰められる気がする。
2018/09/25
団塊シニア
医療に言及した内容が印象的である、患者は医学について素人、しかし素人でもわかるように病気について薬について説明してもらいたがっている、親切に説明してくれる医師を良医と思う、という内容は闘病生活が長かった筆者ならではの言葉である。
2014/05/29
けぴ
遠藤周作さん生誕100年なんですね。高校の頃良く読みました。「死ぬ時は死ぬがよし」良寛の言葉を引用して死生について語るエッセイ。いわゆる狐狸庵ものとは一線を画した真面目な内容が多かった。
2023/05/20
豆ぽち
偶然にも、遠藤氏が自宅書斎から眺めていたという山が、我が家からも見える。彼はあの山の稜線に何を見ていたのだろうか。私は遠藤周作のようには上手く生きられないし、きっと上手く死ねない。それでも、あの山は同じように私にも語りかけてくれているような気がする。
2017/01/18
ちゅんさん
良いことを言ってるなぁと思うところもあればこの考えは古いなと思うところも。彼はエッセイより断然小説の方がいいですね。
2023/08/07
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