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行動学入門 (文春文庫 み 4-1)

行動学入門 (文春文庫 み 4-1)

行動学入門 (文春文庫 み 4-1)

作家
三島由紀夫
出版社
文藝春秋
発売日
1974-10-25
ISBN
9784167124014
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行動学入門 (文春文庫 み 4-1) / 感想・レビュー

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たーぼー

執筆当時の世相に触れている部分が興味深い。旅客船を乗っ取り人質をとりライフル銃を乱射し警察官に射殺された青年に行動の前提となる計画性は無くとも、それは理解や合理性の範疇を超越した一つの行動であったことは事実だろう。一方、よど号ハイジャック事件によって起こされた法の蹂躙の重大さは理解できるのだが理論に武装されたインテリ赤軍集団に行動の神秘性が見出せないという点では三島に同意。昭和45年に起きた二つの事件に何か共通点が有るとしても検証しても只、堂々巡りだろう。答えはむしろ同年11月25日の市ヶ谷にあったのか。

2015/05/24

終わりの美学はどれも表現が面白くてわかりやすく、さすがと思えました。陽明学の章は難しかったが学生時代に授業で習った言葉もちらほら出てきて今しっかりと勉強できました!陽明学って非常に哲学的なんですね。

2013/01/29

ばりぼー

30年ぶりの再読。実家の物置から出てきた文庫本で、大学の卒論資料として使ったため、傍線だらけです。自決直前の「軽いエッセイ」をまとめものですが、切腹の誘惑にとりつかれた三島が、至る所で本音を漏らして、まるで自決の予告をしているかのようです。そして、これが口述筆記だというのが驚きで、こんな流麗な理路整然とした日本語をさらっと操ってしまうのが凄い!「行動は一瞬に火花のように炸裂しながら、長い人生を要約する不思議な力を持っている」というあたりに、芸術家である三島の、サムライへの強烈な憧れを読み取れます。

2013/11/25

とくけんちょ

行動に関するエッセイ。三部からなっている。真面目すぎるものばかりでなく、力を抜いて読めるものもある。一方、行動と美と死については、いろいろと考えさせられる。肉体の死が遠い存在となった分、精神の死について危機感を募る。こう生きたいとは思うが、実践には程遠い。

2024/09/13

優希

現代の風潮への憂いが感じられました。弁論だけが横行する社会でどう行動するか、行動を肉体と考えている三島にとって永遠のテーマだったのかもしれませんね。それにしても男くさいです。

2023/12/08

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