若きサムライのために (文春文庫 み 4-2)
若きサムライのために (文春文庫 み 4-2) / 感想・レビュー
ykmmr (^_^)
この時は、もう…自分の進むべき路を決めていて、これから生きる若人に「自分の意思」を託していこうとするのが伺えた。『未来』とか『明日』と言う言葉が嫌いと言いながらも、自分がいなくなった後を憂い、相変わら硬派・律儀に語っている。ただ、『小説』ではなく、『エッセイ』だからこそ、同じ『ミシマ節』であっても分かりやすくてありがたい。『自己』『礼儀』を重んじ尊重・『心身』を鍛える・『信義』を信じて『約束』は守る。彼が書いた彼らしい指標。後半はまさに、『国防』などの話の『ミシマ節』だが…。
2023/01/13
優希
三島由紀夫という1人の「男」の生き様を見たようでした。その志は一貫しており、決してブレることはありません。己の信じる道をただひたすら歩んだ軌跡がここには記されていると思います。そこには今の若者が見ることを忘れた「大和魂」がはっきりと表れているのが感じられました。
2018/04/03
じいじ
これには三島由紀夫の凄まじい「生きざま」が脈々と綴られています。『若き……』と表題にあるように、肉体について、信義について、長幼について…など、若者に捧げる12のテーマは、頭で分かっても実行に移す体力がありません。いまの私には読むのが、遅きに失したようです。まだ現役バリバリの諸氏には、是非一読願いたいと思います。三島が血気に逸った理由のすべては、未だ理解できないままでいます。あの三島が最期の日は、仕事で市ケ谷の近くにいたので、かなり記憶は薄れたはいえ、まだあの日の衝撃のカケラは鮮明に残っています。
2023/01/20
馨
独自の精神論には圧倒されっぱなしで、政治の話なんてもう、数十年先の将来を一字一句間違うことなく、昭和40年には既に今の日本の現状が見えてらっしゃる・・。 今の日本よりまだ先も見えているらしい。天才すぎる・・。同じく作家の城山三郎さんも、先を読む力がありすぎて最期まで難しいことを我々に投げかけていましたが、賢い人は先が読めるから、それゆえに私みたいな凡人よりはるかに思い悩む事柄もたくさんあるしレベルが違います。昔の人ってなんであんなに教養があって、賢いんでしょうか。。 私はまだ知らないかんことがありすぎると
2012/09/30
ばりぼー
憂国忌にちなんで三十数年ぶりの再読。三島の行動哲学、道徳観、国防などについて、明快で歯切れのよい表現で綴られたエッセイ+対談集。三島が自決する1年前に刊行されたものですが、すでに死の誘惑にとりつかれているのが端々からうかがえます。「人生というものは、死に身をすり寄せないと、その本当の力も人間の生の粘り強さも、示すことができない仕組みになっている」…作法・礼法を忘れ、安穏として「かすり傷も負いたくないという時代に生きている」覚悟なき日本人を一刀両断。自分が三島の年齢を上回ってしまったことに愕然とします。
2015/11/25
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