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もっと遠く!―南北両アメリカ大陸縦断記・北米篇 (上) (文春文庫 (127‐8))

もっと遠く!―南北両アメリカ大陸縦断記・北米篇 (上) (文春文庫 (127‐8))

もっと遠く!―南北両アメリカ大陸縦断記・北米篇 (上) (文春文庫 (127‐8))

作家
開高健
水村孝
出版社
文藝春秋
発売日
1983-12-25
ISBN
9784167127077
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もっと遠く!―南北両アメリカ大陸縦断記・北米篇 (上) (文春文庫 (127‐8)) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

北はアラスカからカナダの西海岸を経てアメリカを縦断、横断し、果ては南米の彼方南極まで釣り三昧という、およそ釣りに興味のない人にはバカバカしくも壮大、そして釣り好きには果てしなくロマンティックな企画。これはその北米篇。立案者は作家自身、お金を出したのは週刊朝日という、なんともバブリーな怪物本。圧巻はやはりアラスカのキングサーモンか。水上飛行機で原野に向かい、そこで何日かかけてひたすら狙うというスケールの大きさ。シルヴァーサーモンや北極イワナも次々に上がる。もうこんな暇とお金と体力の蕩尽は不可能だろう。

2016/02/16

ゆいまある

(電子は合本なのでどこまでが上かはっきりしない)アマゾン釣り紀行オーパ!が面白かったのでこちら。釣りをしながらアラスカから南米まで南下する旅。アラスカ辺りでもっとサーモン釣るのかと思ったら結構さくっとユタ州まで行ってしまう。釣り意外の話題はかなり思い切って省かれている。砂漠の真ん中でのバス釣り。餌はイモリ。スポーツフィッシングを徹底する開口さんなのでキャッチアンドリリースが基本。魚や釣り場への愛溢れる言葉は詩的で美しくキラキラ輝いている。物語の筋を追わなくていいので、忙しい合間にもちょこちょこ読める。

2019/02/03

さっと

「何かゴツイことやりなさいよ」編集者にそう言われて小説家は思い立つ。「アラスカをふりだしに北米大陸と南米大陸を釣竿を片手に横断してみたらどうだろう」そりゃ大陸横断なんて何人もやっていることさ。「しかしだね、しかしだヨ、釣りでそれをやった奴が日本人でいるとはまだ聞いたことがない」。いつもの長い前口上から途方もない釣りによる南北両アメリカ大陸横断の物語は始まる。『フィッシュ・オン』の冒頭を飾り、晩年の引退試合『オーパ、オーパ!!』でも幾度も描かれた“最後の開拓地”アラスカからスタート。表紙はレッド・サーモン。

2018/11/10

東森久利斗

”半ば子供の脳を持った大人衆と 半ば大人の脳を持った子供衆と そういう私自身のために” オタワの奇蹟、幻の魚マスキーとの闘いがクライマックス、まるでドラマのよう。大自然での悠久の時の流れ、ニューヨーク、摩天楼、5番街の喧騒、ハンバーガーとビール。相対する環境に共通の生命力、人間の小ささ、愚かさ。その一瞬を捉えた写真、写真に添えたコメントが最高。

2022/11/16

あかふく

開高健が行った南北アメリカ大陸縦断の記録。ただ渡るだけではなく、釣りをしながらというのが大事だ。『花終る闇』を考えながらというところで、こちらの文体は余裕あり、きらめいている。魚の話だけでなく人物について、風景について、またシモの話も忘れない。あえて小説に近づければ、ここでの旅と釣りと執筆の関係は『新しい天体』の経済と同じ形をしているようだ。

2013/06/15

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