わが政治への反回想 国家なる幻影 上 (文春文庫 い 24-3)
わが政治への反回想 国家なる幻影 上 (文春文庫 い 24-3) / 感想・レビュー
ゲンゲン
常々、産経新聞のコラムは他の人のそれと異なり異彩を放ち凄まじいまでの文章力に圧倒されていたことから本書を興味深く読んだ。恣意的に読めば、本人の自慢話ともとらえられ兼ねない内容だが、著者が齢三十七でこれほどまでに卓越した国家感、政治観を持っていたことに驚いた。権力に迎合せず志に傾注する姿は都知事の今でも輝いており、日和ることに腐心する昨今の国会議員に少しでもこの心意気を見習ってもらいたいものだ。安保闘争で機動隊員が学生の投石で殉職する下りは、佐々敦之の「東大落城」で同じ下りがあった。
2012/03/19
choku_tn
1996年の議員辞職までの「第1期政治家人生」を自ら描いた作品。ノンフィクションとは受け取れないが、登場人物が全て実名の私政治小説と思えば傑作。非情、浪花節、非合理、裏切り、ブラックユーモアが詰め込まれた内容は密度が濃く、どんどんページが進む。詰めは甘いが緩急自在の筆捌きは破格。 上巻で興味深いのポイントは政界入りまでの意識形成、三島由紀夫との相剋、選挙運動における握手から感じたもの、最初の都知事選の屈辱。
go
面白かったなー。作家だから当然文章も読みやすいし、歴史的な人物を新人議員の石原慎太郎が見てる感じが面白い。
2021/06/22
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