夜中の乾杯 (文春文庫 ま 2-7)
夜中の乾杯 (文春文庫 ま 2-7) / 感想・レビュー
夜間飛行
ウナギ文(鰻を注文する際の「僕は鰻だ」という文)の大研究という随筆があり、文法の話かと思っているとそうでもなく、色んな話題を巡り歩いて結局はこの例文が日本人に好まれる理由について述べている。具体的には、松下大三郎の発明の話から始まり、広告の英文と枕草子による比較文化論を試みた後、チャップリンの映画と食事の関係に目を向け、日本人の動物好きと変身譚に言及し、最後は漱石の『猫』に触れて終わる。丸谷さんの小説にもこの調子で書いたものがあり、斬新だなあと思ったことがある。遊び心に溢れた小説をもっと書いてほしかった。
2018/01/14
KAZOO
丸谷さんのエッセイ集です。最近集中的に読みなおしていますが、これも雑誌に連載されていたものを1冊の本にまとめられたものです。男大学とかケインズと伊東光晴、蔵書印など興味をそそるエッセイが並んでいます。最後の「ウナギ文の大研究」変わった日本語の文法論であり、一読の価値があります。
2014/06/04
TakeROC
エッセイの名手、初の丸谷才一にのぞむ。口語体を排除する独特な文書。しかし、違和感なく僕の脳は変換できたようだ。文書が上手くて、密度濃く同じページ数の本と比較すると、読むのに時間がかかった。おそらく著名な方が、友人知人として登場するが、知らない人ばかりで脳内キャラ確立できずに、爆笑できずにいる。もっと仲良くなりたいので、他の作品もトライしたい。うなぎ文サイコーですよ。
2012/03/17
ゴリゾウ
面接の部屋にはいると、委員が七八人、馬蹄形に並んでいて・・前後左右から雨あられと、いろんな質問をする。そこで小檜山さんは立ちあがって、二三歩さがり、・・「質問したい方は手をあげて」『入社試験』(P86) #1514
1990/06/16
天来
ぶちお
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