アメリカ細密バス旅行 (文春文庫 し 2-10)
アメリカ細密バス旅行 (文春文庫 し 2-10) / 感想・レビュー
高橋 橘苑
日本も、そしてアメリカという国も内向きになって、あたかも、かつての魅力を失ったかの様に見える。或いは、物思いに耽っているのか。もしかすると、私の世代あたりが、アメリカに眩さを感じていた最後尾なのかもしれない。それより上の世代の人達は、もっと強烈な感情をアメリカに抱いていたに違いない。本書は城山さんの、1967・72年の2度のアメリカ縦横断バス旅行の見聞録。冒頭「私ほどアメリカで長距離バスに乗った日本人も居ないのではないか」とあり、人生と地球を実感するためにも、バスでアメリカをさすらうのが良いと語っている。
2015/09/30
クジラ
城山三郎が40歳くらいの頃、1960年代後半のアメリカをバスでグルッと回った時のエッセイ。黒人と白人の問題がいろいろ出てきたが、今も同じような感じなのだろうか?当時からするとオバマ大統領何て存在が出てくるのは信じられないのかもしれない。印象的だったのは、アメリカ人の消費感覚。ほとんど貯金をせずに今の暮らしのためにバンバンお金を使う、という点は今も昔も変わらないんだなぁ。それにしてもバスの旅に出たくなる。
2010/04/19
からしれんこん
ニガーという言葉が出てきてかなり痛快な内容になってる。黒人差別の話も結構出てくるが、簡単な問題やないとわかるし、黒人も黒人やなという感じがした。白人の7割が黒人に対して恐怖感があるというのもあまり意外という感じがせんかったな。黒人の多くは教育が不十分で薬や犯罪に走るという。やはり必要最低限の教育は必要なのかと感じた。しかしアメリカという国は恐ろしいな。
2009/11/26
ゆうろう
文庫としての出版は1984年だが、内容は1967年頃、即ち半世紀も昔のアメリカをバス旅で描写している。城山三郎はヒューマニストとの印象があるが、この本では黒人へのかなりの偏見を感じてしまう。同様に手塚治虫も尊敬する作家(漫画家)だが、やはり当時の作品にはこの傾向があった。要は、当時の日本人の黒人他差別される側への視点なんて、この程度のものだったんだよな〜。今はその点、かなりマシになったね。2021年のグレイハウンドから見るアメリカの現状は如何に?いずれ自分の眼で確かめたい(9.11から20年の日に記す)。
2021/09/11
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