一発屋大六 (文春文庫 し 2-26)
一発屋大六 (文春文庫 し 2-26) / 感想・レビュー
Tsuyoshi
図書館本。風采のあがらない銀行マン・大六の一発かましたいといいつつも、隠しきれない人のよさが滲み出たキャラに癒されはしたものの、ツキを大事にした独自の相場論を展開、実行する相場師・根岸の破天荒なキャラが遥かに上回っており圧倒されてしまった。電話注文だった株取引の描写が時代を感じさせてくれる。
2018/04/13
hiro-yo
経済小説作家と言われた城山三郎さんのイメージに似つかわしくない滑稽な小説。サンデー毎日に連載されたのは昭和60年とのことらしい。大六と同僚の二人が宿直の夜に勤務先の銀行から一千万円が消えた。そこから大六の人生が変わり出す。企業マンだった大六が自分に目覚めて動き出す羨ましい展開。
2016/12/03
シュラフ
大六さん、風采のあがらない三十男との設定だが、若々しくていい。子どももいないせいか夫婦仲も良いようでうらやましい。銀行での事件をきっかけに、稀代の相場師・根岸の秘書となり、大六に運命がめまぐるしく回転しはじめる。これは現代の冒険譚のように思える。"いつか一発"の大六であるが、結局なにも成し遂げるわけではない。だが、妻とともに温泉旅行に出かける場面、最後には妻のもとに帰っていくようでほほえましい。
2014/04/26
はかり
城山作品は割合と読んできたが、今冊は知らなかった。解説者はこの作品を風刺小説だと言う。確かに銀行という組織の風土や行員の性癖などを表現しているとは思う。しかし、私には城山にしては珍しいユーモア作品としか思えない。大六が一発を打つことがなかなかできないのがもどかしい。
2019/09/13
文章で飯を食う
おもしろい。今となっては古めかしいね。テンポがゆっくりで。
2010/10/08
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