剣客群像 (文春文庫)
剣客群像 (文春文庫) / 感想・レビュー
sagatak
いまさら初池波正太郎^^; さすがに大御所だけあり話に引き込まれる。短編集でどれも面白かった。ただ少し驚いたのは最後の青山熊之助が実在人物の話と思いながら読んだところ、全くの創作とのこと。解説にも書いてありおそらく発表のとき断ってあったと思うが、今読む自分としては騙された感が。司馬遼太郎があまり有名でない人々を調べ上げ創作を加えて書くので、こんな人もいたのかとワクワク読むのに慣れた身にはちょっと。ただ、この話も伊藤博文の人柄を表現するための一人の役者として架空の主人公をあてたと思えるのでよしとしよう。
2015/09/06
Richard Thornburg
感想:★★★ 8篇で構成される短編集です。 剣客とタイトルにはありますが、白刃が火花を散らすような真剣勝負に関する描写というよりは、武芸に対する精神面的な描写が多い印象を受けました。 そんな中でも印象的なのは、1作目の『秘伝』でしょうかね。 秘伝と聞くと踏襲する者の心構えを思い浮かべそうなのですが、秘伝を伝える側からすれば奥が深いと思いました。 どの話にも武芸に対する『悟り』に近いものを感じるのですが、悟りそのものは弟子に伝授できるものではなく、肌で感じ取ってもらうというのが王道なのでしょうね。
2016/05/07
Takao
1979年9月25日発行(1994年12月20日、第29刷)。単行本は1969年発行。直木賞を受賞した1960年の「妙音記」から、1969年発表の「秘伝」までの短編8編を収録。50年も前の小説になぜ引き込まれるのか。様々な個性を持った「剣客」が登場し、活躍する。物語が予想外の展開を見せる。舞台は江戸でも、人間の生活、感情、生き方、等々、現代に通ずるものが描かれているからなのかもしれない。「妙音記」「寛政女武道」「弓の源八」「かわうそ平内」「秘伝」が面白かった。
2016/04/03
DONA
久々に再読。様々な剣客の人生や生き方、信念などが描かれています。どれも面白く読めました。池波さんの話は読みやすいです。
2012/02/10
s
剣に弓に手裏剣に柔術にと それぞれ得物は違えど超一流である武芸者たちの人生を書いた短編集 並はずれて腕が立つことが立身出世や幸せに繋がるわけでもなく 本人たちもそういう生き方で満足かと問われればそんなこともなさそうなのがせつないですね
2009/03/18
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