夜明けのブランデー (文春文庫 い 4-40)
夜明けのブランデー (文春文庫 い 4-40) / 感想・レビュー
佐々陽太朗(K.Tsubota)
池波正太郎氏が60歳を超えて書かれたエッセイ。ご本人直筆の挿画も楽しめる。肩の力が抜けて洒脱な文章が心地よく読みやすい。食べ物や映画、酒、万年筆(オノト)、煙草など、日常にこだわりを持ちつつ力が抜けている様は、これから老年期を迎える者にとって、まさにお手本にすべき姿ではなかろうか。もちろん若い頃からの積み重ねがあってのことで、簡単に真似ることなどできないけれど。考えてみると、私は池波氏の小説を読まずエッセイばかり読んでいる。池波氏の粋な生き方に憧れるからだが、やはり小説も読まないとな。うん、読もう。
2012/01/06
HIRO1970
⭐️⭐️⭐️久々に連続で正ちゃん読みました。文藝春秋連載の40篇で昭和60年の物です。当時、62歳でいろんなところが少しづつ変わりつつありますが、まだまだ元気とも言えます。歳を取ることは当たり前ではありますが、どう優先順位をつけてやりたいことをこなしていくのか、出来ることが少なくなった時に手許に出来ることがあれば幸せなんだろうなと若造なりに感じる事が出来ました。改めて物事を表面的に見すぎていないか、センセーショナルな動きに引きづられ見誤っていないか自戒しました。本質を見抜く力、毎度ながら恐れ入りました。
2014/09/20
クプクプ
この本は父から借りました。エッセイ集です。「万年筆」という話は面白かったです。私は字が下手で小学生の漢字も書けないので、万年筆を使う池波正太郎さんに憧れました。「食日記」も参考になりました。池波正太郎さんが食を大事にしていることがわかりました。まだ二冊目ですが、池波正太郎さんはエッセイより小説の方が本領を発揮する方のように感じました。ただ池波正太郎さんを知るにはよかったです。
2018/08/05
えこ
カッコいい大人の男性の日記でした。フランス映画など西洋の芸術に詳しくて、時代小説の大家とは思えない。池波正太郎先生の日常を知ることができて、ファンにはたまらないと思います。
2016/10/07
海恵 ふきる
真田太平記等の著作や、食通だったことで知られる池波正太郎先生のエッセイ。挿画もご自身の手によるものとのこと、その多才さが垣間見える。しかし、大正12年生まれと昔気質のひとなので、文章から女性への偏見の強さが溢れ出ている。今なら間違いなく叩かれるレベルの記述なので、読まれる予定のある方は、そこを了承してからのほうが精神衛生上良いかもしれない。まあそれは時代的背景を考慮すると致し方ないとした上で、当時の文化人の生活を知ることができるのは面白い。老境に入った池波先生の健康に対するぼやきにも哀愁がある。
2023/04/28
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