新装版 雪舞 (文春文庫) (文春文庫 わ 1-28)
新装版 雪舞 (文春文庫) (文春文庫 わ 1-28) / 感想・レビュー
美雀(みすず)
生まれつき脳の障害を持つ乳児。それを乗り越えて強くなろうとしている母親。終始重たかった。私なら母親として何をしてあげられるか?と思い込むくらいでした。雪の描写がそれを包み込むような重たいストーリーを彩るみたいでした。
2015/03/06
しょうご
ヒューマニズムとは? 人間の命の重さ、価値とは? 色々と考えさせられるお話でした。『「死」とは何か』を再読したらヒントが得られそうです。
2020/02/09
もてぃこ
桐野婦人は美人を利用したしたたかさのある女性だと思う。そのしたたかさが無意識に出てしまっているのだと思うが。重度の障害を持つ子でも、しんでほしいとは思わないと思うが、子育てはきれいごとで済まないこともあるから、婦人の立場になったときに一瞬もそう思わないとは言い切れない。危険な手術でも望みをつないで賭けたと思いたい。各立場の究極の心情を題材にしながら、最後を恋愛感情的なしめくくりにするのは納得いかなかった。
2012/01/12
ジャンズ
札幌の街の情景から各章が始まる。先ず映像が現れる。意思を伝えることが出来ない幼児の生死を決めるものは何なのか?桐野夫人の自己満足の為に幼い息子含め医師や病院を巻き込んだようにしか感じられなかった。手術をする、しないに当たっては色々尤もらしいことを言っているが、静かで言葉少ない夫人の大きな瞳に根津医師がやられてしまった感がする。覚悟を持って手術をお願いしたのなら、死亡したときに医師の前で泣いてはいけない。したたかな女性に振り回された不快感。裁判は夫婦のコミュニケーションの落ち度の為に起こったこと。
2017/08/31
まみ
死んだように生きることと、死ぬのであれば私は死にたい。そう思うのは人として間違っているのだろうか。医者としてひとつの命を尊い守り抜こうとする中で、夫婦に掻き乱され疑問に思ったこと『生きていくということは、もう少ししたたかで図太いことなのかもしれない』人としての在り方を医者の視点から教えてくれた本でした。
2017/04/05
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