新装版 私本・源氏物語 (文春文庫) (文春文庫 た 3-45)
新装版 私本・源氏物語 (文春文庫) (文春文庫 た 3-45) / 感想・レビュー
優希
面白かったです。源氏物語を大衆向けにしたような印象でした。光源氏の架空の従者・伴男の目を通じて軽妙に物語が紡がれていきます。庶民感覚が満載で、何処となく阿呆らしさが漂っていました。こっそり毒を吐いているのも笑えます。これだけくだけた源氏物語なのだから雅もへったくれもありません。だからこそとっつきやすさがあると思います。でも本来の源氏物語とは全く別物と割り切って読む方がいいでしょうね。
2016/03/02
昼寝猫
この小説は源氏物語ではあるが伴男という光源氏の従者から見た異色の源氏物語。田辺聖子さんには新源氏物語を始め源氏物語関連の著作が多いが、これはその裏本という感じ。ここまで下世話に書いちゃっていいの?というぐらいやり放題だが〝私本〟だし、なにより源氏愛に溢れているのがいい。源氏物語に挫折しちゃった人でも間違いなく楽しめるはずだ😁
2024/01/06
も
読友さんの感想を読んで手に取りました。田辺節全開の源氏物語。大いに笑った!高貴で美貌の光源氏が大阪弁丸出しで「何しとんねん」なんて言う。お相手のほうもオバハンなんて呼ばれちゃう。原作からは想像もつかないほどのドタバタぶり。とはいえ、ただのドタバタでは終わらず原作をしっかり活かしつつ当時の暮らしを見ることができる仕上がりになっているのはさすがでした。
2015/07/26
金吾
○源氏の従者の伴男のバッサリ切りまくる語りが面白いです。源氏物語の新たな楽しみを感じました。末摘花、花散里、六条のオバハンが良かったです。
2024/01/09
kagetrasama-aoi(葵・橘)
田辺聖子氏による「源氏物語」のパロディ小説。光源氏に仕える小舎人の伴男の視点で書かれたもの。しかも大阪弁です(o^O^o)。一見庶民の伴男が光源氏を揶揄してるようにも思えますが、そこは流石に田辺さんの筆で、「源氏物語」への深い愛情が感じられます。“北山のすずめっ子の巻” “六条のオバハンの巻” “夜あかし潮汲みの巻” 巻名もどの女人を語っているのか一目瞭然で楽しいです。「新源氏物語」再読したくなりました。
2021/08/22
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