東方見便録: もの出す人々から見たアジア考現学 (文春文庫 さ 33-1)
東方見便録: もの出す人々から見たアジア考現学 (文春文庫 さ 33-1) / 感想・レビュー
GAKU
中国からイランまでアジア8か国のトイレ事情体験ルポ。女性イラストレーターのイラスト入りなので、女性用トイレも含めヴィジュアル的にも良く分かります。まぁ世の中には色々なトイレがあるものだと感心。同様のエッセイでは、先日読んだ椎名誠さんの「奇食珍食 糞便録」の方が秀逸でしたね。しかしこの手の本を読むたびに、ただ、ただ、日本のトイレの清潔さと優秀さに感心するのみです。まぁ下の話題が苦手な人には、どうでもいい本でしょう。
2015/12/11
Miyako Hongo
イラスト&文章で綴るアジアの便所使用紀行。こういう物事を説明する絵が描けたら世の中楽しいだろうなと思って購入。 □仕切のない中国のトイレ、川上の水洗トイレ、肥料を貯めるためのトイレ、インドのハイカースト用の女性用小便噐、などなど。何といっても豚に食わせる豚トイレ描写が秀逸。股間から覗く期待に満ちた豚の目とか、もうね。 □食い物が美味しそうなファンタジーは大抵当たりだと友人が言っていたが、それでいくと便所の描写が克明なファンタジーは傑作かもしれない。
2015/01/19
kinkin
中国・サハリン・インドネシア・ネパール・インド・タイ・イラン・韓国のトイレ事情を、イラスト入りで著者の体験とともに書かれている。 この本に出てくるトイレは、一流ホテルに見られるものではなく、街中や 農家などのものである。解説の椎名誠さんが書かれているように、生きたアジアの人間史科という言葉がぴったりの本だと思う。
2014/01/21
韓信
中国の開放トイレ、インドネシアの魚に排泄物を食べさせる池トイレ、インドのマハラジャトイレ、イランのメッカの方向を向けないトイレ等々、アジア各地のトイレ事情から風土と社会、恥と浄穢観を考察するルポ。素手で肛門を水洗いし、ウンチ魚で腹を壊し、牛の糞で歯を磨く体当たり取材には笑いながらも感服してしまう。とくにネパールの豚トイレで排泄するシーンは臨場感と緊張感と戸惑いにあふれた名文。写真はなくとも内澤旬子の緻密なイラストのおかげで嫌になるくらい状況が解りやすい。韓国取材でトンスルが出てこなかったのが残念。
2014/06/16
ユウティ
最後の方、けっこうキツかった(笑)疑問も持ったことなかったけど、土地や宗教に根ざした全く違うスタイルがあるんだなあ。こうやって様々な国へ旅して、その土地土地に倣うことの出来る著者を羨ましいと思う。絶妙な量のイラストのおかげか、色んな風景のイメージが湧いてきた。どんな小説やテレビよりも一緒に旅した気分になれた摩訶不思議な一冊。
2014/07/27
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