こころ 坊っちゃん (文春文庫 な 31-1 現代日本文学館)
こころ 坊っちゃん (文春文庫 な 31-1 現代日本文学館) / 感想・レビュー
優希
漱石の代表作2編がおさめられています。性格の全く異なる作品ですが、面白いです。痛快な反抗精神を描いた『坊ちゃん』はスカッとしますが、個人的には『こころ』の方が刺さります。何度読んだか分かりませんが、孤独な苦悩と自殺という哀しさが良いのですよね。でもどちらも好きな作品なので、こうして1冊で2作品が読めて贅沢です。
2023/02/07
優希
再読です。漱石の代表作のうち2編が収められています。正反対のベクトルの作品ですが、どちらも面白いです。今回は『坊っちゃん』が新鮮に見えました。教師としての赴任先でのドタバタ喜劇。先生たちにあだ名をつけるのも笑えます。漱石は何度も読んでいますが、年とともにその良さが分かってきているような気がします。
2024/05/19
テツ
『こころ』と『坊っちゃん』が収録。『坊っちゃん』はいつ読んでも相変わらずの爽快さ。自分の(多少暴力的だが)正義を貫き自分を愛してくれた清のいる場所に帰るストーリーは爽快。『こころ』は先生が何に殉じたか。主人公に何を残して何のために死んだのか。自分の過去の過ち、他者から罰せらることのない過ちを悔いて生きてきた先生がその過ちを曝け出すときの心境を考えると大好きなお話だけれど苦しくなる。どちらも本当に良い物語なので漱石を教科書くらいでしか読んでない方にはお薦め。読まず嫌いは勿体無い。
2016/11/14
A.T
漱石初期と中期の代表作を収録。現在までじっくり読んだことのなかった2編でしたが、読んで本当によかった。「坊ちゃん」では登場人物のキャラクター名が有名で、読む前からストーリーがわかった気がしていましたが意外な展開に驚き。マドンナと坊ちゃんの絡みが無いなんて!主人公は破天荒な坊ちゃんという設定ですが、物語世界の本当の枠組みはそれより一回り外側にあったかのような、坊ちゃんとそれ以外の登場人物の世界観がかけ離れていたのが面白い着眼点でした。明治の変化に富んだ時代の空気を登場人物それぞれに違えてまとわせている。
2016/08/22
ちくわん
まずは「坊っちゃん」。1906年(明治39年)4月、ホトトギスに掲載。巻末資料によると原稿料は148円。作中の高等学校の給料が月額40円。(これくらいなのか…)主人公の「坊っちゃん」は東京理科大学卒業だったんだ。これまでの人生で、仮に読んだとしても、全く覚えていないことがハッキリした。さぁ、次が本丸「こころ」だ。
2020/01/05
感想・レビューをもっと見る