骨音―池袋ウエストゲートパーク3 (文春文庫)
骨音―池袋ウエストゲートパーク3 (文春文庫) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
シリーズ第3作。3つの短篇と1つの中篇という構成は前回と同じ。短篇はこれまで通りいずれも快調。とりわけ「西一番テイクアウト」は、マコトの母親たちの活躍もあって、ユーモラスな趣きの中で展開してゆく。まだまだ読者をあきさせないスピード感を保っている。ただ、最後の中篇はこれまでとは傾向が違うようだ。おそらくは意識的にだろうが、著者がマンネリに陥ることを恐れ過ぎているようにも思われる。私が無知なだけなのかもしれないが、これがドラッグの現状を反映したものであるとするならば、現実はもはや私の想像の範疇を超えている。
2018/11/20
starbro
石田 衣良は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。IWGPシリーズ完読プロジェクト, 今回は第三巻。 https://bookmeter.com/users/512174/bookcases/11337296?sort=book_count&order=desc オススメは、表題作「骨音」です。本巻から、PHSから携帯電話に変わりました(笑)続いて第四巻へ。
2018/12/20
zero1
鋭さが光る短編集。IWGP第三弾は直木賞候補。表題作はホームレス襲撃と音楽。「西一番街テイクアウト」は11歳の少女と母を救うマコト。サルやタカシとともに闘う。マコトの母親は闘士?「キミドリの神様」は地域通貨の偽札を追う。犯人を捕まえるだけでなく、その裏が問題だった。「西口ミッドサマー狂乱」は音楽に狂う夜のレイブと薬物。描きたいことは理解できるが、薬物の恐怖をキレイゴトで終わらせていないだろうか?解説はドラマで脚本を担当したクドカン。原作とドラマ両方が好きという方には解説だけでも価値がある。
2019/06/25
納間田 圭
骨身に反響する重低音。胸の中の空気まで叩き出す原始のリズム。夜の底で爆発するエネルギー。場所は…メトロポリタン池袋のスィートルームから見下ろせるIWGP一帯 。地鳴りとなる大歓声。波に揺れる巨体な細胞の触手のような数千の腕。いっせいに踊る陶酔の若者達。ローライズジーンズをカッコよく着こなす…神秘的な義足の彼女。”1998.5.25”と彫られた下腹部のタトゥー…それは彼女の2度目の誕生日。そして主人公マコトの母上様は…池袋西口の最終兵器⁉︎。ますます目が離せない池袋一帯。まだまだ先は続く続く。
2022/01/01
KAZOO
このシリーズ3作目です。この地域がやはり比較的若い人たちの悪のたまり場となっているのでしょう。ココには表題作以下4作がおさめられているのですがどれも楽しめました。主人公の母親が結構登場してくる話もあったりします。また地域通貨の話もあります。よくまあこれだけの話のねたをうまく小説に結び付けてくれる気がしました。
2019/03/07
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