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馬の首風雲録 (文春文庫 181-2)

馬の首風雲録 (文春文庫 181-2)

馬の首風雲録 (文春文庫 181-2)

作家
筒井康隆
出版社
文藝春秋
発売日
1980-04-25
ISBN
9784167181024
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馬の首風雲録 (文春文庫 181-2) / 感想・レビュー

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saga

【再読】戦争婆さんと4人の息子を主軸に、地球から1300光年離れた馬頭星雲の中で繰り広げられる戦争SF。サチャ・ビの内紛にコウン・ビ(地球)が軍事的・経済的介入をする筋立てに、ベトナム戦争などの構図が思い浮かび、先進国と途上国の関係性は21世紀の現在でも当てはまるほど本作品は色褪せていない。あとがきがまた熱い! 戦争をテーマとしたコラージュと言うが、作品の内容まで目に浮かぶのは「のらくろ」ぐらいでお恥ずかしい。解説でも触れていたが、著者の架空の事物に対するネーミングが面白すぎる。

2016/09/14

亮人

馬頭星雲にある連星ビシュバリクとブシュバリクで、犬顔の現地星人サチャ・ビ族とコウン・ビ(=地球人)によって繰り広げられる泥沼の戦争を描いた戦争ツツイ文学。のらくろブレヒト戯曲ヘミングウェイなどの過去の戦争文学をコラージュして書いた、一種の実験小説でもあるらしい(そのへんの元ネタに全く触れてないので分からなかったが、充分楽しめた)。サチャ・ビ族の国家軍と共和国軍(独立軍)の戦争に武力提供で裏から介入していく地球人という構図は、ベトナムやアフガンやイラクの紛争にも通じ、筒井先生の先見性に驚く。(※欄に続く)

2014/11/06

晴れ女のMoeco

人面犬、じゃなくて犬面人がいる星の戦争の話。国家軍対独立軍って建前だけど、実際は利益を得たい大国(ここでは地球)が戦争をけしかけているんだねー。世界史でよくあるパターン。戦争婆さんと四人の息子、ドブサラダ、ズンドロー、みんな名前がユニークだし忘れられないw長男と次男の再会がかなしすぎた。虚構を描くには歴史をよく知っていないと描けないわけで、さすが筒井さんだなぁと。戦争はいけない、で終わらなくて、戦争とは何か細かく深いところまで描かれていて、これを読まずに25年何してたんだろうって思うくらい良い小説だった。

2013/09/23

kenpapa

再読。スタートは少々退屈だったが、段々と引き込まれていく。筒井先生の風刺の効いた長編力作。

2023/10/17

wang

ドンキホーテなどの冒険譚を読むような気軽な読み物。馬頭星雲にいる犬に似た文明社会での内戦が舞台。主人公は戦争ばあさんとその4人の息子。テクノロジーや政治・軍隊上層部の戦略等大げさな問題ではなく、戦争に巻き込まれ運命に翻弄されるこの家族やその周辺の出来事から、戦争の社会への影響などを叙述している。戦争反対とか戦争は悲惨だと訴えかけるのではないが、複雑で多様な面をもつ戦争体験を読むように実感させる。戦争で儲けようとする商売人だが、その息子は戦争に次々と取られていく、おかしくもあり悲しくもある。今でも新鮮。

2016/06/04

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