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蘇我入鹿 落日の王子(上) (文春文庫 く 1-19)

蘇我入鹿 落日の王子(上) (文春文庫 く 1-19)

蘇我入鹿 落日の王子(上) (文春文庫 く 1-19)

作家
黒岩重吾
出版社
文藝春秋
発売日
1985-04-25
ISBN
9784167182199
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蘇我入鹿 落日の王子(上) (文春文庫 く 1-19) / 感想・レビュー

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future4227

いやぁ、なっかなか進まない本だなぁ。重厚感たっぷりの作品で、日本書紀にサラっと書いてあることなどを筆者の見解も踏まえながら丁寧に描き込んでいる。正確さを重んじているせいか人名もやたら長いし、漢字読めないし、姓と名の区切りがよくわかんないし。正直、八木荘司氏の大和シリーズの方がテンポもエンタメ性もあって好きかな。上巻は蘇我氏と大王派との権力闘争の根回し的な話で終わってしまった。結局まだ何も事件は起きていない。下巻で乙巳の変に向かって一気に急展開するはず。もう少し辛抱して読んでみようかな。

2018/11/15

しんすけ

上巻半ば過ぎたところで入鹿が父蝦夷に語る言葉が興味深い。 「父上、時の流れに眼を向けてください。大王など、居ても居なくても構わない時代がやってくる、...」 今風には「天皇なんて飾り物に過ぎない実権は軍事力にある」と解釈できる。 日本と云う名の国が最初に登場するのは養老4年(720年)の日本書記だから、今年で1300年となる。日本がまだ無かった時代に国の支えは軍事力だと入鹿が明かしている訳だ。 入鹿は中大兄によってその後に殺されるが、これすら鎌足が周到に用意した軍事力が背景にあったと云っても差し支えない。

2020/03/07

電子書籍で購入。勇猛で賢いが傍若無人で人の気持を考えない主人公・蘇我入鹿。そして、美人だが派手好きな皇后。まったくいけ好かない人物が主要なのだが、それでも読ませる。なんだかんだ言って作者の人物造形はうまい!下巻も楽しみだ。

2017/09/03

だまし売りNo

蘇我氏は蘇我氏で中央集権化を目指した。後の大化の改新を正当化する立場に立てば、中国の統一・強大化という国際情勢の中で倭が生き残るためには、天皇中心の中央集権体制を確立する必要があり、天皇を蔑ろにする蘇我氏は滅ぼされるべきということになる。しかし政治体制の強化が正しい方策としても、天皇中心の集権体制が唯一の解であるとも最適の解であるとも限らない。現に高句麗でも力のある臣下に権力を集中することで、国際情勢を乗り切ろうとしていた。

2021/08/14

くっちゃ

傍若無人で、権力欲丸出しの蘇我入鹿。冷静に他人を値踏みし、自分に利する人間を探しだし利用しようとする中臣鎌足。主要人物が陰湿でみんな好きになれない。しかし、それがリアルで逆に良くも感じる。山背皇子がここまで疎外されていたなんて…。そして、乙巳の変に至るまでに百済の義慈王の反乱から翹岐王の受け入れや、高句麗の泉蓋蘇文のクーデターなど、教科書なんかでは完全に省かれそうな出来事も詳しく取り扱っているところが流石黒岩重吾!

2016/11/18

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