新装版 風の扉 (文春文庫) (文春文庫 な 1-30)
新装版 風の扉 (文春文庫) (文春文庫 な 1-30) / 感想・レビュー
あかつや
染織界で名を馳せる師匠と折り合いの悪い弟子がカッときてナイフで滅多刺しにして逃げた。弟子は当然ビクビクしているのだけど、、いつまで経ってもその事が報じられず、不思議に思っていたらなんと師匠は生きているという。これをミステリーの雰囲気でやるんだけど、まあオカルトの領分だな。フィクションだから何やってもいいけど、何やるにしても読者を納得させるだけの世界観の構築が必要だ。でもこの小説にはそれがない。発表された当時はもちろん、近年同様の手術の成功が中国で報じられた現代でこれやったとしても、なにそれポカ~ンだわ。
2020/09/16
やす
途中から結末は何となく想像でき、今では陳腐な題材であるように感じたが、何年も前に医療倫理を正面から問うような本を書いているのはすごいと思う。生と死と脳と肉体と、これらの問題は今でも解決しておらず、何を持って我々は自分であるといえるのか深く考えさせられた。 今では、肉体の交換も技術的にはあながちあり得ない話でもなく、社会全体で考えていく必要があると思う。特に、最後の第三者で見た時と当事者としてみた時の違いは、現代の様々な問題について同じことがいえると思う。偉そうなことをいう評論家はよく考えてほしい。
2018/11/06
青
文章が麗々しくなく、淡々としているため、何か、現実にこういうことができる時代がやってきているのではないか? と思わせるタッチが怖い。個人的には、謎に迫る人たちが、謎を隠そうとする人たちから追われたり消されていったりするようなストーリーでなくてよかった。
2011/07/23
ななころび
まさか、いやもしかして、やっぱりと読みが当たり、SFだと思いきかせて読む。夏樹さんぽくないような。
2016/11/07
久保伸一
フィクションなんだから、そんな細かい事言うなよ。と言われそうだが・・急拵え的に登場した相手と血液型はまだしも、「HLA型も同じでしたので、」って随分気軽に・・HLA型が一致する人と出会う確立が「砂丘で一個の砂粒を見つける」程に難しいから骨髄バンクという組織があるのだが・・
2015/01/04
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