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一茶 (文春文庫)

一茶 (文春文庫)

一茶 (文春文庫)

作家
藤沢周平
出版社
文藝春秋
発売日
1981-12-01
ISBN
9784167192020
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一茶 (文春文庫) / 感想・レビュー

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紅香@本購入まであと9冊

どこで間違えたのだろう。どこで引き返せば良かったのだろう。決して風流人ではなかった一茶。歩き続けることをやめれば、明日の暮らしが途絶えることも確かだった。。どうしよう。どんよりする。何か途轍もなく惨めで、胸につっかえて、やるせない読書だった。2つや3つの一茶の俳句からは見えてこないザラザラした感触。生きている間はとても悲惨で、その悲惨さは後世に句が残ることと引き換えだったのだろうか。ゴッホも宮沢賢治も然り。一茶の素顔がこびりついて離れない一冊。

2019/07/17

大阪魂

久々の藤沢さん、歴史本。やせ蛙負けるな一茶ここにあり、めでたさも中くらいなりおらが春って句は知ってても、どんな人かはぜんぜん知らんかった…一休さんみたいにえらいけど世捨て人、お坊さん人生な人かなあっておもてたら、ほんま売れへん芸人さん。生きるために凄惨な苦労してはったんやなあ…お金稼ぐためにドサ廻りみたいなことして、俳壇でトップスターなった道彦とかに嫉妬しまくって…一茶の、ってゆうか芸人の人生の凄さ、一気読みさせてもろた。でも句はほんま素朴であったかいもんなあ。一茶が思っきし身近になった。

2016/09/19

Tomoko.H

再読。俳諧師一茶_風流とか俗世を超越どころか、とことん俗でどこまでも人間臭い。さもしさまで感じさせる内面も描かれた一茶像は、とても生き生きとしていて作者の創作とわかっていても、本当にそうだったのかなあと思う。同世代の俳諧師に嫉妬する一茶に、あなたの名前と作品は後世に残っているよ、と教えてあげたい。『そこには心を燃やして悔いないものがあった。それに執するがために、ときに飢えても離れがたい何かがあった。_無能無才にして、このひと筋につながる、だ。』何の道でも、こういう部分がある種の才能だと思う。

2016/03/26

なつのふね

藤沢周平が 創造する誹諧師 小林一茶の生涯。全体的に暗く やるせなく 俳人という芸術家として 身をたてて行くことの困難さがひしひしと伝わってきた。芸術に魅せられた人間が その道で身をたてて行くのが難しいのは今も昔も変わりがない。庶民として生き生活の中で出会うこと、ものの全てが詠む対象になった一茶。多くの後世の人々が一茶の句に 愛着や共感を感じる現状を本人が知ることができたら どんな顔をするのだろうか?と想像してみたいと思った。

2018/03/18

Tatsuhito Matsuzaki

江戸時代に活躍し、芭蕉、蕪村と並び称される俳人 #小林一茶。 物事を優しく見つめ素朴で軽妙な言葉で表す代表作とは対照的に、貧乏生活の中で世を妬み拗ね罵倒し皮肉る俳句を吐き、継母&弟との遺産争いにしのぎを削り、老境に至ってなお若妻を娶るなど、欲望をむき出しにする俗物としての人間一茶を 著者自身の境涯にダブらせ描いた秀逸作品です。 我が故郷周辺にも足跡を残していたことも嬉しい発見でした。 #松尾芭蕉 #与謝蕪村 #俳諧師 #痩蛙まけるな一茶是にあり #秋の風乞食は我を見くらぶる #霜がれや鍋の墨かく小傾城

2022/05/22

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