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喜多川歌麿女絵草紙 (文春文庫)

喜多川歌麿女絵草紙 (文春文庫)

喜多川歌麿女絵草紙 (文春文庫)

作家
藤沢周平
出版社
文藝春秋
発売日
1982-07-01
ISBN
9784167192037
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喜多川歌麿女絵草紙 (文春文庫) / 感想・レビュー

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モトラッド

★★★☆[再読]喜多川歌麿を史実の中から浮かび上がらせた、歴史小説。この分野でも、藤沢先生の筆致が冴えわたります。

2020/01/02

onasu

古本屋のワゴンに、これを見つけた時は、びっくりした。藤沢周平にこんな作品があるのは、全く知らなかった。  初出は昭和50年。それでも、古さは感じられないし、引き込まれる感覚も十二分だ。しかし、この辺りを題材にした作品も増えた今では、数ある中のひとつになってしまうか。  それでも、歌麿は女を描いている間、その女に惚れ込むが、いわばプラトニックで、描き終えると冷めてしまうというのは、おもしろい。寧ろ、そんな女たちの6編。合間には、蔦重や馬琴、写楽も!?  たまたまだけど、やはり読むとよさが感じられる方だ。

2015/01/02

ach¡

歌麿が描く美女たちの憂いに満ちた素顔。一世を風靡した浮世絵師ならではの苦悩。それまで歌麿にとって「女」は単なる被写体であった、表も裏も知りつくし全て悟ったはずなのに・・・身近なお千代を失い、改めて「女」に未知を感じる。才能の翳りに恐れを感じながら懸命に踏んばるが、最後に慰さみを求めたのも結局「女」であった!という皮肉たっぷりの終わり。お見事。

2015/02/12

syuntaro

【喜多川歌麿の人物像に迫る藤沢周平の異色作】江戸時代を代表する浮世絵師・喜多川歌麿。美人画のモデルの女性達と歌麿の悲喜交々、蔦屋重三郎や山東京伝、曲亭馬琴との交流を描く。歌麿には女性の変化を見る眼があり、最も輝く瞬間を描く力があるように感じた。女性達は、決して良い人生とは言い難い。歌麿も彼女達の悲哀を拾い取り、描くものの上手く行かない。自身も筆力の低下や写楽への嫉妬を感じ絶頂期にいながらも精彩を欠いている。馬琴も商人としての苦労・創作での苦労が描かれる。暗い読後感の短編が多いが、歌麿の人物像に迫っている。

2014/04/19

三平

浮世絵絵師の中で最も「美」というものに執着した喜多川歌麿の日々を描く短編集。女性それぞれが持つ美しさを見出し、己のものにしようと筆をとる。女のことなら酸いも甘いも噛み分けているような心づもりの歌麿も女が持つ様々な顔に翻弄されていくのが面白い。ギラギラしているかと思うと、ふと女性に臆病になったり、絵師としての欲を強く持ちながら人間的な面を見せるのにも惹かれる。こういうのも書けるんだ、と今までイメージしていた藤沢周平を覆された作品。

2016/05/13

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