雲奔る 小説・雲井竜雄 (文春文庫)
雲奔る 小説・雲井竜雄 (文春文庫) / 感想・レビュー
AICHAN
図書館本。幕末の隠れた志士・雲井龍雄の物語。雲井は藤沢さんと同じ山形県出身。藤沢さんは同じく山形県出身の清河八郎の物語も書いている。同郷の志士たちに共感するものがあったのだろう。さて、雲井龍雄。米沢藩の極貧の士分に生まれた彼は学問だけはできた。望んで江戸詰になり学問をさらに磨き、憂国の志士となる。さらに上に嘆願して京都詰めになる。ときあたかも幕末の煮えたぎっている時期であり、龍雄が悲憤慷慨している間に薩長は官軍となり会津藩は賊軍となり会津は征伐を受ける。龍雄は討薩の表を掲げて会津を救おうとする…。
2018/02/11
ach¡
幕末の志士:雲井龍雄と聞いてピンとくる人はそうそういないだろ。でもGODは誰も注目しないようなこういう日陰の男が好きだよね〜。まぁこの時代いくら叡智があっても活躍できずに死んだ男が沢山いたんだろう。GODと同郷ゆえに、伝記を残してもらえた清河八郎(回天の門)と雲井龍雄は幸せかもしれない。2人とも才能はあるのにちょい性格に難ありだったのと、ほんの少しタイミングが悪かった。で結局それが大きな綻びとなり時代の渦に巻き込まれる。あっけなく哀しい終わり…なんとも暗い読後感。GODの歴史小説は本当レベルが高杉晋作だぜ
2018/05/24
キムチ
静謐なる感銘に満ち満ちた読後。私ってどうも会話体より叙述形式が好みのようだ。欷く→「なく」と読むらしい。はじめてみた漢字。希望に欠くとは何と痛ましい。東京送りで死を覚悟した龍雄を見送る妻、ヨシが草むらで号泣する一場面。筆者の郷里から二人、幕末の志士が登場し、その一人が主人公雲井龍雄なる男。27歳にして梟首となる。好んで禍の火種を抱く男だとも言える。中央は彼をして「処処に出没して官軍に害を与えた男」とレッテルを貼った。哀しむらくは郷里米沢藩すらも。会津から米沢の道はけもの道、そこをひたと走った男がいた
2014/08/16
にゃんにゃんこ
幕末の苛烈な志士、米沢藩士雲井竜雄の生涯を描く。
2024/08/01
たカス
★★★☆☆幕末の志士だが佐幕の米沢藩士、思想はFUCK薩摩とくればそりゃ生き残れませんよ。雲井竜雄という人はこの本で初めて知ったが明治維新で優秀な人がたくさん死んだのね。後半新ぱっつぁんも出てきたよ。
2017/05/06
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