回天の門 (文春文庫 ふ 1-16)
回天の門 (文春文庫 ふ 1-16) / 感想・レビュー
nakanaka
幕末の志士・清河八郎の生涯を描いた作品。その生涯がたった34年で終わっていることに驚きます。世間一般ではあまり良いイメージのない清河八郎ですが、この作品では討幕によってのみ日本の未来は開けるという信念に生きる漢として描かれていてガラリと見方が変わるのではないでしょうか。同じ山形出身の私としてはこちらの英雄然とした清河であったと信じています。文武両道で抜きんでたカリスマ性を持っていた彼だからこそ全国各地の尊王攘夷の志士を糾合できたのだと思います。間違いなく日本が変わるきっかけとなった人物の一人ですね。
2018/04/23
i-miya
2014.01.09(12/24)(つづき)藤沢周平著。 01/09 これを山師的策謀と呼ばないのは、時代が煮詰まって手段を省みるいとまがない一面はあるが、西郷や大久保が、結局は当時の幕藩体制の内側だったからではないか。 (本文) ◎遊蕩児。 一. 羽州田川郡清川の舟着場。 酒田から最上川を遡ってきた船があった。 降りてきたのは三四人、その中に少年、大柄。
2014/01/09
i-miya
2013.11.24(11/24)(再読)藤沢周平著。 11/24 (カバー) 清河八郎を変節漢、山師、策士と人は呼ぶ、今なお悪評と誤解の中にある。 八郎は、仕官の途さえ望まぬ一個の草莽の士であった。 その時代、未だ討幕の機、熟さずの早すぎた志士であった。 麻布一ツ橋で凶刃に死ぬまで、悲劇の孤士の生涯を描く。 (あとがき) 清河八郎はかなり誤解された人だと思う。 幕臣、山岡鉄舟、高橋泥舟と親しく交際、家は酒造家、出奔に駆り立てたのは出世とは別の閉塞感。
2013/11/24
i-miya
2014.02.25(01/24)(つづき)藤沢周平著。 02/25 (P011) (◎遊蕩児、つづき)村で敵意、剥き出しの男、元司、負けてたまるか。 娘、ちらっと見て、父親についていく。 四月、田植えのころ。 造り酒屋、実家。 朝4時-版10時、休む間もない。 領内一の酒屋。 妹の辰代、あら、兄さん。 おじいさまは、お客様、関所の畑田安右衛門。 お父様、鶴ヶ岡に御用。 立谷沢川が最上川に落ち込むところまで走る。 鎌倉時代にこの地に住むつき、徳川の始め、元和の頃、酒造り始める。
2014/02/25
ちゃいろ子
幕末ものには必ず登場する清河八郎。抜群の頭脳を持ち、弁も立ち且つ剣の腕も免許皆伝。なのに、いつもなんだか嫌な奴に描かれ最期もとても呆気ない。 藤沢氏の描く八郎も、その路線から大きく外れることはない。けして、ただの悲劇のヒーローには描いてはいない。子供の頃から青年期にかけて、清河塾を経て志士として立ち、果てるまでが丁寧に描かれていて、今までなぜだろう?と思っていた部分がいろいろ納得できたのだ。 また、藤沢氏によるあとがきもとても良く、清河八郎という早すぎた悲劇の志士を少しでも理解できた事を嬉しく思う。
2021/09/15
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