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闇の梯子 (文春文庫 ふ 1-17)

闇の梯子 (文春文庫 ふ 1-17)

闇の梯子 (文春文庫 ふ 1-17)

作家
藤沢周平
出版社
文藝春秋
発売日
1987-02-01
ISBN
9784167192174
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闇の梯子 (文春文庫 ふ 1-17) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

表題作を含む比較的初期の5つの短篇を収録。前半の3つが市井の、後の2つは武士社会を描いたもの。市井ものは、いくぶんかは余裕がある「入墨」を含めて、裏長屋に住む底辺の庶民たちの哀感を描く。博打に身を持ち崩した男たちが、それぞれの物語に絡むが、周縁の人々のやりきれなさが伝わってくる。武士を描く「相模守は無害」は、公儀隠密とはいうものの、いわば白色テロリストの責任感と仕事の全うをテーマにしているのだが、これも痛快というよりは、哀感の残る作品だ。5篇に共通するのは「運命を甘受し、耐え忍ぶ」ということだろうか。

2012/09/24

Smileえっちゃん

以前読んだ本。闇の世渡りに背を押されるように、人生の闇に墜ちて行く男たちの宿命を゙描く代表作他5篇からなる短編集。短編ながら藤沢作品は読み応えがありました。

2024/02/21

けやき

短編集5編。「相模守は無害」は海坂藩に潜入した公儀隠密の話。「紅の記憶」は婿入りをする予定だった女性の仇討ち。この2編と「父と呼べ」がよかった。

2023/01/22

モトラッド

[再読]★★★★ 藤沢周平先生の初期短編ならではの世界観を味わえる五篇(初出誌は昭和48年~49年4月)を収録。文庫本の第1刷は昭和62年2月10日。仄暗くも、しみじみとしたその読後感が絶品です。表題作も良いけれど、私的には『入墨』(の卯助のキャラ)が、お気に入り。ファンならずとも、あまねくお薦めします。

2019/09/28

キムチ

いかなる状況でも体調でも「いいなぁ~時代小説って」って感じさせるのが藤沢作品。短編が5つ、十分に醍醐味を味わえた。改めて人々の生活が時間的にも精神的にも「闇の部分」が多かった事を想う。人別帳という制度の存在だけでも「奈落に落ちる」宿命を負うのに天変地異、刃傷等など揺らぎの上にかそけくある生活。削がれたような頬・・こういった表現がよく合う。さらなる秀逸は関川氏の文庫本巻末の解説。藤沢氏が「闇に降りる梯子」を書く事は「暗い手掘りの隧道」を通過する宿命だった・・上手い!!

2014/09/06

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