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蝉しぐれ (文春文庫 ふ 1-25)

蝉しぐれ (文春文庫 ふ 1-25)

蝉しぐれ (文春文庫 ふ 1-25)

作家
藤沢周平
出版社
文藝春秋
発売日
1991-07-10
ISBN
9784167192259
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蝉しぐれ (文春文庫 ふ 1-25) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

読友のsatieさんの感想に触発されて、急に読みたくなり積読本の山から探し出してきた。他にもそうさん、ayaka*さん、sagatakさんの推薦も。たしかに、これまでに読んだ藤沢周平の作品(とはいっても、まだ15冊くらいなのだが)の中では1,2を争うものだろう。400頁を越える本格的な長編小説なのだが、構成は実に見事。まずは序章の蛇の件りで即座に物語世界に引き込まれ、終章でそれを回想する時には、主人公の文四郎とともに、物語を共に生きた満足感に浸ることができる。随所に共感できるシーンに満ちた作品だった。

2012/10/25

ミカママ

藤沢さんの作品、誤解してました。コテコテの時代小説、苦手な剣術モノなんだとばかり。結論から言うと、これは時代小説ですらないです。青春小説、もしくは私の大好きなすれ違い系の恋愛小説・・・。文四郎くんが切腹を果たした父上(継父)の遺体を引き取りにひとりで処刑場に行くところなんぞは、涙が止まりませんでした。その後の順調な出世が、わが息子のことのようにうれしく。ラスト・・・初恋のおふくちゃんとは結ばれたんでしょうか、それとも口吸いだけ?なんて下世話なことがどうでもよくなるような、素晴らしい作品でした。

2015/11/01

HIRO1970

⭐️⭐️⭐️時代小説好きを忘れかけた頃にまた出逢いがありました。これだから本の愉しみはやめられません。藤沢先生は初めて手に取りましたが、自然や気候の微妙な移り変わり、1日の中の日射しの明暗の濃淡の違い、芝居の書き割りと言うより映画を観ているかのように脳の中に映像が浮かび上がり、夏の日の夕暮れや凍えるような冬の夜が迫ってきました。少年期から青年期を経て老年期まで余すところ無く主人公と友人達の成長を描ききっています。人間の魂には歳を経ても揺るがない焔があると思える素敵な結末でした。

2015/01/15

ehirano1

どうして5年にも渡り積読していたのかと思うくらいハマってしまいました。高名な作家さんの成せる技なのか全く飽きません。突然訪れる悲運を受け入れるしかなく、忍苦を乗り切るに最も大切なことの1つは「親友」であることをしみじみと感じました。人生には親友が2~3人もいれば十分なんだなと改めて思わされました。さて、最近疎遠になっている親友に連絡でも取ってみようかな。

2022/11/11

HoneyBear

美しい小説。この小説のように「切なさ」や「清々しさ」といった気持ちや共感を湧き起こす小説をあまり知らない。BittersweetとかRefreshingといった表現では伝えきれない(自我を抑えることに根ざした)懐かしい情感だと思う。情景の描き方も人々の描き方も美しい。

2015/12/26

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