巨いなる企て 上 (文春文庫 さ 1-5)
巨いなる企て 上 (文春文庫 さ 1-5) / 感想・レビュー
糜竺(びじく)
石田三成が主人公の歴史小説です。豊臣家から天下を簒奪しようと企む徳川家康は、五大老筆頭で255万石の所領を持ち、40年以上も戦国時代を生きぬいてきた超大物。そこから、秀吉の亡き後、19万4千石の所領しかなく、五奉行の4番目の地位にしか過ぎなかった石田三成が、豊臣家を守る為に、対抗していく内容です。非常に目が離せません。現代と同じく、人それぞれに思惑、感情があり、理論派の三成の思い通りにはなかなかいかず、逆に苦労人で人の気持ちを汲み取れてそれを操る家康との対立は読みがいがあります。下巻が楽しみです。
2017/09/10
金吾
久々に読みました。堺屋さん得意の経済的視点と当時の会社を比喩に使う手法は面白いです。
2020/12/13
金吾
三成と家康の知恵合戦は面白いです。またほのかな方言もいい味を出していると思いました。毎回思いますが堺屋さんの時代小説は経済的視点があり面白いです。
2021/11/18
BIN
秀吉が死ぬ前からの石田三成を描いた作品。上巻は7将による三成襲撃の少し前くらいまで。天下人になろうとする徳川家康の野望をくじくために互いに謀略戦を挑んでおり、思惑を含めよく練って書かれている。家康は自分の意思で決定できるのに対し、三成は大老や奉行と合意をとって実施しなければいけないから大変です。獅子身中の虫がいるし、よくも対抗できたものだなあと改めて思いました。現代で例えることが多々あるところは少し気になるところではある。
2018/08/04
aponchan
テレ東モーサテ「リーダーの栞」にて乃村工藝社社長推薦したことをきっかけに手に取り、読了。堺屋太一氏著書は以前より数冊読んできたが、石田三成という有名なるもあまり人物像を(自分が)知らない人物にスポットを当てていて、とても面白い。 豊臣氏が全国統一を果たしたことは認識していたが、一定の官僚的組織を持っていて、その官僚とそれを支える諸侯、一方で天下を狙う徳川家康との綱引きは迫力がある。早速、下巻にも取り掛かろうと思う。
2018/11/13
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