小袖日記 (文春文庫 し 34-9)
小袖日記 (文春文庫 し 34-9) / 感想・レビュー
風眠
不倫の恋に破れ、自暴自棄になって彷徨っていたOLが雷に打たれ、気付いたら「おかめ」だらけの平安時代にタイムスリップしちゃってた!そこでは紫式部こと香子さま付きの女房・小袖として、源氏物語のネタ集めをして・・・という、明快なストーリー展開と、快活なヒロインが活躍する感じは、子共の頃に夢中になったコバルト文庫みたいだな。軽やかなタッチで描かれているのに、平安時代のリアルを感じることができるのは、当時の風俗や生活習慣、人々の考え方や常識などがきちんと描かれているからだろう。『あさきゆめみし』読み返したくなった。
2014/02/13
射手座の天使あきちゃん
これ、本棚分類は間違いなく「パロディ小説」ですよね!? <(^_^; 雷にうたれてタイムスリップと言う「ありがちな」展開に加えて、「源氏物語」は二人の女房の共作で「末摘花」は美人だが同性愛者だとか、もうハチャメチャ、おもしろ~い!!(笑) それだけに最後の展開は、なかなか意味深いものかありました、ハイ m(_ _)m
2011/07/03
hiro
昨年末に三谷幸喜さん作・演出の『紫式部ダイアリー』という芝居を見て、21世紀の現代までこんなに影響を与えている『源氏物語』、そして紫式部はすごいと改めて思っているときに、この本を読メで知り、早速読んでみることにした。主人公が平安時代にタイムスリップして、『源氏物語』を書いている‘香子さま’にネタを提供するため奔走するという設定が、ただの『源氏物語』にまつわる時代小説でなく、批判的なものも含めて、21世紀の普通の女性からみた『源氏物語』の世界観がよく表されていて、タイムトラベル物としても大変面白く読めた。
2015/01/31
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
不倫相手に振られヤケになったOLが雷に打たれ、平安時代にタイムスリップしてしまうお話。落雷の衝撃から覚めると目前におかめの大群……てか【あたし】もおかめに。『源氏物語』を執筆する香子さまに仕える17歳の女官【小袖】の肉体に精神が入り込んでしまったようだ。帰れるか分からないけど、まず生きるためには、元文芸部の知識を総動員して『源氏物語』のネタ探しに励まなくちゃ……。1000年の時を経て結婚や夫婦の形は違っても、恋する気持ちは変わらない。語り口は軽いけど意外と深くて、時々ホロリとさせられる恋の物語でした。
2014/08/10
しゅわ
【図書館】三浦しをんさんの「本屋さんで待ち合わせ」で紹介していて、面白そう♪ と手に取りました。不倫に破れてヤケになったOLが雷にあい平安時代にタイムスリップ!女官・小袖として『源氏物語』を執筆中の香子さまの片腕として働き、取材のために噂話をたどってゆく…というトンデモ設定のSF物語。あの有名な事件には意外な真相が隠されていた!? 氷室女史の平安モノを彷彿とさせる小気味よいテンポ、そして真相に近づくところはミステリーを読むようなわくわく感あり、とても面白かったです。
2014/04/10
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